2011-11-03

Trishna

「東京国際映画祭」の自分内クロージング作品である
マイケル・ウィンターボトム監督の「Trishna」を鑑賞。

この日は都合で映画2本。
「Detachment」が、ものすごくよかっただけに
正直もうこの余韻に浸って一日を終えたいとさえ思った。

しかも「Trishna」開始が21:00!
しかしウィンターボトム登壇ですからね、
彼の映画は、
自分の青春時代の重要なアイテムだからね、
ティーチイン全部見たら余裕で23:30は超えるとわかっていても
これは参加しなくては。
次の日、会社休み申請しておいてよかったよ。

で、Trishnaですが

トーマス・ハーディの「テス」が原案。
大胆にも現代のインドを舞台にしています。
テス=トリシュナ、というわけで
「スラムドック」のフリーダ・ピントがヒロイン。
ウィンターボトムはハーディの「日陰者ジュード」
「めぐり逢う大地」も撮っているので、これで3作目。
原作に忠実に撮ってるのって「日陰者ジュード」だけじゃないかw

クリストファー・エクルソン最高!
「テス」と言えば、ポランスキーが撮ってるけれど
あのときのナターシャ・キンスキーは神かがり的に美しいねぇ。

信じて愛した男について行ったが為に
起こる数々の試練や苦境。そして悲劇。
常に受け身で一途で無垢な女に(悪い意味にとれば要領が悪い)
イラつくかどうかがこの映画のキモなんだけどさ。

ポランスキー版は、原作に忠実で
とにかく美しいの一言に尽きるんだけど
本題の冬底ヴァージョンはというと・・・

トホホ。。。
うーん、これはちょっと見てて辛かったなぁ。

ここ6、7年の彼は、多作の割に
正直とっちらかってる感があって、
えぇ?!そう来るの?!という「驚き」じゃなくて
「ショボボボーン」の方が多くてさ・・・。
あと、大胆なセックス描写ばっかり取り入れるようになっちゃってさ・・・。
(Cord46あたりからか?極めつけは9songsか)

このTrishnaでも、スラムドックのあの娘が
「あんなこと」も「こんなこと」もやっちゃうので
まぁカーマ・スートラよろしく、ってよりも
話の便宜上、虐待シーンが、ちょっとなぁ。。。

あと彼っていい意味でも悪い意味でも
絶妙な音楽のチョイスっていうのかなぁ
いかにも!なイングランド人的な感じで
今回も、ドライブシーンにKasabianかかりまくってました。

上述の虐待に至るシーンで
無理やりダンスを踊らされるシーンがあるのですが、
なんと「踊れないダンスミュージック」と散々言われていた
Portisheadの「All mine」が唐突にかかる。
うーん、ここ唸りました。まぁ踊る曲じゃないんだけどさw
つーか、さっきまでバングラミュージックばっかりかかっていたのに!
なぜに!

つーか、これで踊れません!

とりわけ初期の作品がマスターピースすぎるからこそ
ブーブー文句言いたくなるんだが。
まぁ近作は、なかなか日本でも配給されてないしさー、
大好きな監督(というか本当に青春の一部なんだな)だから
彼のUKのスモールサークルもの映画に飢えてるんだよねぇ。

そんなわけで、
映画終了。ウィンターボトム登場!

この人、全然ルックス変わらないなぁ。
北部イングランドのあの独特の訛り、ナツカシス。
タ、サンキューベリモッチ!

ティーチインで、まさか当たるわけないだろうなぁと
手を挙げたら、まさかまさか当てられてしまった。

大好きなGO NOWのパンフを彼に掲げて見せたら
「おぉすごい古い映画だなw」と言ってくれたのが嬉しかった。
しかもこの映画の内容と関係ない質問してしまったよw
自分で言うのもなんだがイタいなぁw

まぁかいつまんで書くと
「もっとイギリスイギリスした作品作ってくれ」
そうしたら、ウィンターボトム「作ってるよ」だと。
その作品がこれ。

スティーヴ・クーガンとロブ・ブライトンが実名で旅をしている映画!
おおおお、これすごく見たい!
しかし、これは絶対日本じゃ公開されないよなぁ。
というわけでもれなく密林UKでポチらせていただきました。


1:35あたりの
「ブライアン・エプスタインとジョージ・エプスタインの不毛な言い争い」
をしているのがクーガンとブライトン。
24HPPも彼のベスト作品のひとつだと思う!

ジョン・シム、パディ・コンシダイン、ピーター・ケイ、
ラルフ・リトル、アンディ・サーキス、シャーリー・ヘンダーソン・・・
あぁあの映画にも出てたなぁなんて探すのが本当に楽しかった。

彼のティーチインに参加して
なんだか止まっていた時計が動き出したような心地さえ覚えた。
好きなものの順位はその時になって変わるけど、
人生を確かに輝かせてくれるものには相違はない。

そんなことを確信させてくれた佳き夜だった。
ta winterbottom!

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