秋の風物詩「東京国際映画祭」が今年も開幕。
どんな作品来るのかなぁと、ついつい調べてしまうのだが、
やはり渋谷でやってた時代が
映画産業自体に勢いもあって懐かしいなぁと思うのは愚問か。
しかし、そんな逆風が吹き荒れているからこそ、
今見ないと、もう日本の映画館で金輪際上映しない!
DVD化すらならない!
なんていうのが、本当に多いんだよねぇ。
昨年見た「ブライトンロック」なんて未だ配給されてないぞ、ゴルァ!
その時を逃してはいけないという心が今年はどうも逸る。
というわけで、今年は調子こいて4本分のチケットを購入。
いつにもましてUK物が充実しているせいか、逃すまい。
そんな1本が
ピーター・ミュラン出演、パディ・コンシダイン監督の
「Tyrannosaur」(ティラノサウルス)
UK映画の普遍ルール題材である
「ワーキングクラスの日常with暴力」を演じさせたら
間違えなく自分内3本の指に入るピーター・ミュラン。
(後の2人はロバート・カーライルとスティーブン・グレアム)
こりゃ見るよなぁ。
加えて監督がパディ・コンシダイン!
彼を初めてスクリーンで見たのは、24Hour Party Peopleでの
ロブ・グレットン役だった。
あの映画ってジョン・シムといいクーガンといい
ピーター・ケイといい自分の好きなUK人揃い踏みだったなぁ。
その後Coldplayのクリップや(ちょっと怖い)
Molokoのにも(ダンス上手!)
客演していて、
なんかいつも困った顔しているけど
根はいい人って感じのイメージ。
Arctic Monkeysの「Leave Before the Lights Come On」は
彼のその部分を最大限に活かした傑作だと思う!
この女の子、Shaun of the deadのリズなんだよねw
3年前にロンドンへ行った際に
Shane Meadowsのボックスセットを購入したんだけど
彼のデビュー作が「A Room for Romeo Brass」で
なんかそんなの知らなかったから、ちょっと嬉しかったなぁ。
というわけで、
UK映画を見続けていると、知らず知らずのうちに
俳優の名前を覚えてしまう。
そんなパディさんの映画監督2作目がこの作品。
実はデビュー作は短編の「Dog Altogether」で
それを長編に書き直したのがこの「ティラノサウルス」なのです。
Dog AltogetherはBaftaでも評価され
最優秀短編賞を獲得、
加えてこの「ティラノサウルス」は
サンダンスで最優秀外国監督賞にも選ばれ
その他いくつかの賞も獲っている・・・
とまぁかなり評判はよいようで。
しかし、内容はかなり重いです。
まぁわかっちゃいたけれど。
「怒りのコントロール」ができない男の苦しみ、
それを救おうとするキリスト教徒の女、
だけど、そんな女にも・・・
という、負のスパイラル、持って行き様のない苦悩を
これでもか、と見せつけられるのです。
あぁこれぞUK映画ルール!
しかしながら、
ケン・ローチの映画もそうだけど、
成す術のない八方ふさがりの生活の中の
一筋の光、一縷の望が
ほのかに舞い降りるところ、
それこそが「ルール」なのでもあり
私がなぜUK映画が好きな理由はこれに尽きる。
自分の中の怒りや葛藤を鎮めるのは
本当に難しい。
自分もストレスを毎日抱えながら
何杯もののコーヒーと
一日おきのヨガとマラソンで
紛らわしているけれど
いつか自分が暴発してしまうのではないかと
気がおかしくなる時が、ままありますが、
まぁうまくコントロールできるように
魔が差さないようにしなくちゃなぁと。
ところで、パディさんは今年の記事で
自分はアスペルガー症候群だ、と公表したとのこと。
この記事はかなり興味深い。
あぁ24HPPのときから苦しんでいたのか・・・。
もしかしたら、っていうか
絶対きっとその経験が
この作品に反映されているんだなぁと思うと
なかなか内容とは別に感慨深い気持ちになる。
この映画、正直、配給難しいとは思うけれど、
今年一番のUK映画と言っても間違いない作品。
気になる方は10/25 16:50から「最後の上映」やるので
ぜひぜひ見た方がよい。おすすめです。
2011-10-24
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