2011-04-24

Scott Pilgrim vs. the World

先週の金曜日、仕事中に新聞を読んでいたら、
あら、こんなところにエドガー・ライト!
彼のインタビューが掲載されていた。
それを読みながら、
あぁそういえば、震災が起きる前に試写会行ったっけと思い出した。

3月2日、シネマライズで「スコットピルグリムVS邪悪な元カレ軍団」を
友人ふたりと見に行った。なんと3人で揃って会うのは2007年のフジロック以来!
この邂逅は本当に縁が繋がっているというか、それだけで嬉しいものだ。
それだけに試写前にご飯食べながら、与太話が盛り上がりすぎて
危うく映画のことを忘れていたという有様!オーマイガー!

そんなこんなで映画開始。

もはやギーク系を演じさせたら天下一品のマイケル・セラ!
なんでしょうかね、この小動物を想起させるあいくるしさ!

話の内容は、もうタイトル通りなのですが、
原題は「Scott Pilgrim vs. the World 」なんだよね。
元ブリットポッパーの私としては、
どーしてもSpaceの大名曲「Me and you vs the World
を思い出しちゃうわけなのだが(「シューティング・フィッシュ」も思い出す!)
あぁ、あれは1996年だったわ・・・。
と回想していたら、劇中にスマパンの「ZERO」Tシャツ着てたり、
エドガー・ライト、もしかしてその辺りは狙ってたりしてるのかしらん?

どうしてもShaun of the deadとHot fuzzに比べちゃうと、
う、うーーーーん?という作品ではあったけれど、
ゲームの表現を映画に取り入れるというのは、新しいかも。
でも頭や心で感じる部分を、それで削ぎ落としてしまう懸念もあったり。

試写会終了後は、エドガーとマイケル・セラ登壇!
マイケル・セラ、顔ちっちゃーい!かわいい!母性本能くすぐられるわ。
でも、こういうタイプって典型的なキングオブDTだね。
あれ、司会者の方がDTここに極まれり、なんてことを言ってて
おいおい、そんな事明言しちゃっていいのかよ、なんて思ったけれど、
まぁさもありなんというか、寧ろもう彼を形容する枕詞と断言しちゃっていいかも。



試写会場だったシネマライズにあったエドガーのサイン(無敵のスターつき☆)と
海外版ポスター。

それにしてもシネマライズ、どんどん規模が縮小していて寂しかった。
自分にとっては学校のような劇場。
この最後の灯火をなくしちゃだめだよね。守っていかなくては!

2011-04-09

生まれてから一番長い三月

ブログを書き溜めていた間に、
震災が起きてなかなかアップできなかった。

3月はとても長い月だった。
ようやく春の兆しを感じ始めていた矢先に
想像を超えた出来事が起きてしまった。

あの日を境に仕事もかつてないほどの忙しさ、
未だに解決しない福島原発のこと、
それに伴う自分自身への専門の勉強、
そして何よりも自分の心の平穏を取り戻す作業・・・。

不安に押しつぶされそうになる。
ノアの箱舟だったらば、これは試練でその先に輝かしい未来があるはず。
その一方で頑張ろうと言ったところで、どれだけ頑張ればいいのか。

未来のことで確かな手がかりが何もない状況だけれど、
ただひとつ、
生きていくことと死んでいくこと、両方を強く強く感じた。
大切に毎日を生き抜こう、と心に誓いを立てた。
気の持ちようで、少しずつでもいい方向に行けるように祈るしかない。

去年の桜と今年の桜を見る目が違うと自分でも驚く。
来年の桜はどういう眼差しで見ることができるんだろう。



幸い、東北や北関東に縁戚も居ず、自宅も古い割に倒壊もなかった。
(庭の灯篭が折れただけ)
しかし、近しい人が被害に遭ったりしている現実を目の当たりにすると、
本当にいたたまれない。だからこそ、強く生きなくてはと思う。
つぶれないように、つぶされないように。

横浜日記その4(完結)

そしてヴァレリー・ゲルギエフ指揮マイリンスキーオペラの
「ロシア音楽の夕べ」を鑑賞しにみなとみらいホールへ。

クラシック音楽って、指揮者が変わったところで
そんなに違いがあるのだろうか、と以前から思っていたのだけど、
このハチャトリアンの「剣の舞」を聞いて目ん玉飛び出るほど驚いた!
ニコニコのコメントでわかるように・・・
まさに爆音、爆演。こんなにも速い「剣の舞」は運動会でも聞いたことない!
このテンポで演奏しているウィーンフィルは勿論すごいのですが
(よく裏のリズム取れるよなー)
ゲルギエフの鬼畜っぷりが笑えてしょうがない!
この動画で一気に彼に興味が沸きました。
(※参考までに小澤征爾とベルリンフィルの演奏はこれ。この速さが普通)

ネット上では「カッパ」「禿げ」「志村」「変なおじさん」と散々な言われようですが、
その派手で肉食系、ダイナミックな指揮は少なくとも自分の心を掴んで離さない。
つまりクラシックの世界では、乱暴な言い方だけど、キャラ作りが大切だったりする。
昨年秋にマーラーの1番「巨人」を聞いたけれど、壮大なスケールの攻めの演奏で
しばし心の行き場を失うほどの衝撃だった。感動のあまり涙も出たわー。

そんなゲルギエフが、自国のロシア音楽ばかりを演奏するというので
もう前日から寝付けず。
そんなこんなで、まずプログラムは
チャイコフスキーの「序曲1812年」からスタート。
あまりにも有名すぎる曲で「Vフォー・ヴェンデッダ」にも使われてたね。


クライマックスの章には楽譜に「大砲」の指示があり、
実際にウソ大砲をぶちかます演奏もあるけど
やっぱり陸上自衛隊の演奏で105ミリのキャノン砲をぶっ放すのには勝てないわ。

ゲルギエフの指揮も、緩急つけて華々しい演奏。
合唱団も登場したのだけど、終演後こんな注意書きがあった。

そうかー、どうりで何も声が聞こえなかったわけかw
なかなか合唱つきの1812って聞くことできなかったから残念だったよ。
それにしても、のっけからブラボーの嵐嵐嵐!
クラシックのコンサートにしては熱気ムンムン。

続く曲目は、リムスキー=コルサコフの「ムラーダ」から「貴族たちの行進」、
ムソルグスキーの「ボリス・ゴドゥノフ」から「戴冠式の場」
ボロディンの「イーゴリ公」から「だったん人の踊り」」
とロシア歌劇のオンパレード。

いまさら「だったん人の踊り」かよー、なんて
馬鹿にしてたんだけど、意外とすばらしくて泣いてしまった。

郷愁あふれるメロディと、途中の戦闘モードになる落差もいい。
改めてこの曲の魅力を感じたわ。

オペラってどうしても苦手なんだけど
(だって話のほとんどの結末が誰か死ぬ)
断片的にでさえ聞いてみると迫力満点。
演奏会の値段が目がつぶれそうな値段なので
はまったら最後かなぁなんて思うけれど、
「アイーダ」とかは一生のうちに見れたらいいな。

後半戦は、
生で聞きたかったショスタコーヴィッチの5番。
しかもゲルギエフのショスタコ5。
周りの観客も、比較的若い人が多かったなぁ。
第4楽章は、みんな待ってましたーって感じでノリノリでした。
ゲルギエフの指揮裁きも、みなぎっており、いやぁいいもの聞けた。
次は是非7番か11番を聞きたいものだ。


アンコール演奏はなかったけれど(剣の舞やって欲しかったよー)
終了後のサイン会は長蛇の列だったわ。

それにしても、またひとつ興味のあるトピックが増えたというか
もっとロシア物を掘り下げて行きたいと思えた、収穫のある夜だった。

家に帰って、何げなくニコニコのこれ聞いたら
今日の演奏物がのっけから2曲。
うーん、若い人が多かったのもこんなところの影響があるのかも。