2011-04-09

横浜日記その4(完結)

そしてヴァレリー・ゲルギエフ指揮マイリンスキーオペラの
「ロシア音楽の夕べ」を鑑賞しにみなとみらいホールへ。

クラシック音楽って、指揮者が変わったところで
そんなに違いがあるのだろうか、と以前から思っていたのだけど、
このハチャトリアンの「剣の舞」を聞いて目ん玉飛び出るほど驚いた!
ニコニコのコメントでわかるように・・・
まさに爆音、爆演。こんなにも速い「剣の舞」は運動会でも聞いたことない!
このテンポで演奏しているウィーンフィルは勿論すごいのですが
(よく裏のリズム取れるよなー)
ゲルギエフの鬼畜っぷりが笑えてしょうがない!
この動画で一気に彼に興味が沸きました。
(※参考までに小澤征爾とベルリンフィルの演奏はこれ。この速さが普通)

ネット上では「カッパ」「禿げ」「志村」「変なおじさん」と散々な言われようですが、
その派手で肉食系、ダイナミックな指揮は少なくとも自分の心を掴んで離さない。
つまりクラシックの世界では、乱暴な言い方だけど、キャラ作りが大切だったりする。
昨年秋にマーラーの1番「巨人」を聞いたけれど、壮大なスケールの攻めの演奏で
しばし心の行き場を失うほどの衝撃だった。感動のあまり涙も出たわー。

そんなゲルギエフが、自国のロシア音楽ばかりを演奏するというので
もう前日から寝付けず。
そんなこんなで、まずプログラムは
チャイコフスキーの「序曲1812年」からスタート。
あまりにも有名すぎる曲で「Vフォー・ヴェンデッダ」にも使われてたね。


クライマックスの章には楽譜に「大砲」の指示があり、
実際にウソ大砲をぶちかます演奏もあるけど
やっぱり陸上自衛隊の演奏で105ミリのキャノン砲をぶっ放すのには勝てないわ。

ゲルギエフの指揮も、緩急つけて華々しい演奏。
合唱団も登場したのだけど、終演後こんな注意書きがあった。

そうかー、どうりで何も声が聞こえなかったわけかw
なかなか合唱つきの1812って聞くことできなかったから残念だったよ。
それにしても、のっけからブラボーの嵐嵐嵐!
クラシックのコンサートにしては熱気ムンムン。

続く曲目は、リムスキー=コルサコフの「ムラーダ」から「貴族たちの行進」、
ムソルグスキーの「ボリス・ゴドゥノフ」から「戴冠式の場」
ボロディンの「イーゴリ公」から「だったん人の踊り」」
とロシア歌劇のオンパレード。

いまさら「だったん人の踊り」かよー、なんて
馬鹿にしてたんだけど、意外とすばらしくて泣いてしまった。

郷愁あふれるメロディと、途中の戦闘モードになる落差もいい。
改めてこの曲の魅力を感じたわ。

オペラってどうしても苦手なんだけど
(だって話のほとんどの結末が誰か死ぬ)
断片的にでさえ聞いてみると迫力満点。
演奏会の値段が目がつぶれそうな値段なので
はまったら最後かなぁなんて思うけれど、
「アイーダ」とかは一生のうちに見れたらいいな。

後半戦は、
生で聞きたかったショスタコーヴィッチの5番。
しかもゲルギエフのショスタコ5。
周りの観客も、比較的若い人が多かったなぁ。
第4楽章は、みんな待ってましたーって感じでノリノリでした。
ゲルギエフの指揮裁きも、みなぎっており、いやぁいいもの聞けた。
次は是非7番か11番を聞きたいものだ。


アンコール演奏はなかったけれど(剣の舞やって欲しかったよー)
終了後のサイン会は長蛇の列だったわ。

それにしても、またひとつ興味のあるトピックが増えたというか
もっとロシア物を掘り下げて行きたいと思えた、収穫のある夜だった。

家に帰って、何げなくニコニコのこれ聞いたら
今日の演奏物がのっけから2曲。
うーん、若い人が多かったのもこんなところの影響があるのかも。

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