2011-06-27

Alone in Kyoto 7

初めて南禅寺を訪れた。
ここは、いつ来ても人が多いイメージがあり
(実際に多いのだけど)敬遠していた。
桜と紅葉のシーズンは、それこそ溢れんばかりの人だものね。

でも特別な日々だったので行ってみると・・・

人が少ない!
というわけで、とりあえず三門に上がってみた。

階段が意外と急で怖いんですが。



おぉこれが世に言う「絶景かな」というやつか。

三門からの眺めを楽しんでいる間に、
御朱印が出来上がっていた。
墨の具合がよいです!金剛王宝殿って書いてある(多分)

南禅寺は京都五山の中でも「別格」扱いの禅寺。
なのに世界遺産になってないんだよねぇ、ここ。
三門も国宝じゃないし。(重文)

国宝の方丈庭園は狩野探幽の襖絵があるというけれど、
別料金(500円)を取る。
今更ながら、寺院参拝ってお金が飛んでいくんだよねw
拝観料に御朱印もらったりすると、あっという間に財布カラだし。
襖絵はまた別の機会にしよう!

そして、南禅寺といえば水路閣!

火サスか土曜ワイドか?
船越英一郎がひょっこりいそうな雰囲気。



情緒あるね、ここは。
ローマの水道をヒントに明治時代に作られた水門で今でも現役。

この水路は琵琶湖からの水を京都へ送る、とのこと。
知り合いの滋賀人に聞いたところ、
大阪人や京都人が滋賀人のことを馬鹿にしたときには
「水止めたるぞ」と脅すそうだ。
まぁよく言われるジョークのようですが。


それにしても、人がほとんどいない京都、
本当に奇妙な感覚だった。
夢中でシャッターを切ったけれど
後から見てみるとまるで広告写真のようなものが多かった。

この日は朝にホテルを出て宇治へ行き、伏見へ行き、
左京区へ戻り、南禅寺で五つ目の寺社拝観。
時計を見れば、あともう一つ行けそうな感じ。

やっぱり銀閣寺かな?ということでつづく。

2011-06-22

Alone in Kyoto 6

醍醐寺を後にして、さて近くの寺院へ、と思いきや、
小野小町のやつも興味なくて、しょうがないので京都市内へ戻ることにした。

醍醐寺から醍醐駅は、実は複雑な道を歩く。
まぁ私の地図の読めなさ加減も著しいのだけど、
早い話、住宅街や幹線道路を越えた後に辿りつける。
寺院の近くにあった雑貨屋(コーナーショップの意の方)のおじさんが
本当に親切丁寧に教えてくれた。
スマホの完璧な地図を片手にサクサクと旅路をこなしていくのとは
180度異なるけれど、私にはこちらの方が心地よい。
まぁスマホ持ってないんだけどw

地下鉄の醍醐駅から東西線に乗って、蹴上駅へ。
いわゆる「哲学の道」ってやつだ。
意外にも南禅寺に行ったことがないので、
照準をそこに合わせたというわけ。

それなのに、道すがら三つ葉葵の暖簾がはためくお寺があった。
南禅寺の別棟である金地院。

なになに・・・現在、特別拝観やってるって?
え!このお猿さんの襖って、長谷川等伯のじゃないか!
おおお、これは何かの縁、見ねば!

というわけで急遽、金地院を詣でることにした。
受付のおじさんも「あと10分で解説員が説明するから、おたくさんラッキーや」
とのことだった。いや、本当にそう思うよ!
しかもこの「お猿さんの襖」は先述の東京国立博物館で見た展示会には
出品されていなかったものだから!とも教えてくれた。

萌える緑の美しい小道。これだけで心和むなぁ。
目的が特別拝観なので、いそいそと堪能。

日光東照宮と比較された東照宮が金地院にはある。
家康の遺言により遺髪と念持仏が祀ってあるのだ。

金地院はもともと15世紀初頭に足利四代将軍の義持の命で建立。
江戸時代には徳川家のひいきとなったというのだけど、
はぁーやっぱりシックで落ち着いていている。
気に入ったわ!


そして徳川家光のために作ったと言われる「鶴亀の庭」。
白砂を海に見立てて、写真の上が「鶴島」下が「亀島」。
見える???見える!

そしてお目当ての長谷川等伯の「お猿さんの襖絵」こと
「猿猴捉月図」
(拝観券より転載)
手長猿が木にぶる下がって、長い手を伸ばしている愛らしい襖。
実物を見ながら描いたわけではないからこそ、
それがまた味になっている。(予断だけど円山応挙の虎とかって猫みたいなんだよね)
間近で見れてうれしかったなぁ。

それとお茶室・八窓席。
江戸時代の佐藤可士和とかそんな感じのデザイナー小堀 遠州の作。

実は、彼は上述の「鶴亀の庭」も手がけているのだけど、
このお茶室、ものすごく計算されている。
ほんの三畳ほどのスペースなのだけど、
鴨居や床の間、長押の位置や奥行きをほんの少しずらすことによって
広く見せたり、遠くからは、まるで重箱のように見えたり・・・
と目からウロコの建築。

解説の方の説明もものすごく上手で、
いやぁ本当にこの旅一番といってもいいくらいの古刹でした。

これは「明智門」
明智光秀が自身の母のために作った門!なんだよー知らなかった。
ちゃんと写真撮ればよかったよ!

とまぁ実はものすごい名刹、金地院。
私もここを訪問しなかったら、知らないで過ごすことが多かった!
こういう瞬間が本当に幸せだなぁ。知らないことを知る喜びが生甲斐になる。

さぁ次はお隣の南禅寺!
(つづく)

2011-06-19

Alone in Kyoto 5

宇治を後にして、伏見方面へ。
京都郊外は、時間の動きが幾分スロウだ。
街の喧騒から離れて、人もいないせいか、
はたまた旅行者マジックなのか、
普遍的なことでさえ、特別に見える(ような気がする)

とはいうものの、なんせ初めての場所。
迷って当然。六地蔵で、電車を乗換えるか、はたまたバスがいいのか。

後者を選択して、向かう先は…醍醐寺。



なかなか行けそで行けない、
でもいつか行きたかった場所。いつかを今叶えたかった。それが旅行の醍醐味。

醍醐寺と言えば、醍醐の花見ですが・・・
悲しいかな、桜にはちと早すぎた。
それどころか、霊宝館の特別拝観も明日からだったー。

それにしても醍醐寺は、
もともと境内が広いから、数時間で駆け足拝観は
ちょっともったいないような気が・・・。
なので、もう1回ちゃんとリベンジしたい。

三宝院の骨董的な趣も素晴らしいね。
なんでここで御朱印いただいた。

醍醐寺の御朱印はいくつかあるのを後から知ったw
 
とはいえ、
やはり秀吉のギラギラなゴージャス感の象徴と言えば、
国宝の唐門!
いやぁこのギラギラ感がちょっとえげつないなぁなんて思うのですが、
十六菊と五七桐の「どや家紋」は、そりゃ権力万歳、平伏し上等の象徴ねぇ。
瓦にも五七桐が。鬼瓦が思いのほかキュートだけど。
でも醍醐寺と言えばやはり、国宝の五重塔!
この時も全然人が居なかったから、ほぼ独り占め。
それにしても醍醐寺で唯一創建当時から残っているというこの五重塔、
近づいて見てみると・・・

屋根を支える三手先と呼ばれる軒の細部が複雑すぎ!
建築マニアでも何でもない素人の私だけれど、
これはすごい技術を施してるのはわかる。
(好きな人にはたまらんだろうなぁ)
またこの内部が国宝たくさんですごいらしいんだけど、
なんせ翌日からだったというのでrh

仁王門の威厳さも素晴らしい。惚れ惚れするなぁ。

そして国宝の金堂もちらっと拝観。



というわけで、
せっかく仏像をたくさん拝もうという野望は
脆くも崩れ去った。嗚呼。
でもまた再訪したいと思わせる醍醐寺。
なんたって俵屋宗達の金地著色扇面散図と
金地著色舞楽図、これも見たいし、
上醍醐の方も、せっかくならちゃんと見たいし・・・。

やはり時間をかけて
ゆっくりと堪能する、これが醍醐味なのかな。

もう一度リベンジするぞー!
(つづく)