この点に関しては、本当に有り難いのだけど
なかなか消化できないのが現実。
でも額面みると、途端に興味が湧いてきて
行ってみようかっていう気になるのも事実。
そんな気分で昨年末、鎌倉にプチトリップした目的は
「シャルロット・ペリアン展」を見に行くことだった。
女性デザイナーの先駆者である彼女の回顧展。
全く建築に疎いのだが、そんな知識がなくても素晴らしい展覧会だったなぁ。
自分の左胸にふつふつと湧きあがる予期せぬ感情に当惑させられてしまったほど。
ル・コルビュジエのお弟子さんであり、板倉準三や柳宗理と交流を深め
戦前から来日していたという、なんともドラマチックな生涯。
作品も無印の家具の源流のような、ミニマル感溢れるものばかり。
下の椅子は1941年作!
図書館にあった自伝を読破したけど、
同じ女性としてなんだか勇気が湧く良本だったわ。
手元におきたい本だけど、5000円するんだよなー。古本屋めぐるか。
初めて行った神奈川県近代美術館・鎌倉館は
そんなシャルロットの友人である板倉準三の建築。
中庭から見える池は映画「ノルウェイの森」にも出てくるんだとか。
「レンコンカフェ」の内装が素敵だったー。人がいないのもよかったなぁ。
オレンジと白の組み合わせってどうしても「トレスポ」思い出しちゃうw
そういうわけで今年初めのアート鑑賞は西洋美術館での「ゴヤ展」
目玉は「着衣のマハ」裸じゃないヴァージョンね。
裸のマハ、といえばペネロペ・クルスの映画であったなぁ。
その名も「裸のマハ」そのままじゃん!
マハっていうのは名前じゃなくて
スペイン語で「小粋な女(小粋なマドリード娘)」という意味。
まぁつまり現在の言葉で言うところの「キャバ嬢」みたいなもんか?
そうなると原田マハさんという方は・・・
わざと知ってて狙ってつけているのかしら?
(この方原田宗典の妹なんだね。この辺りの文筆家はどうも嫌い。
中谷彰宏とかさ、どうも胡散臭いし軽い)
そういえばゴヤもの映画と言えば、もうひとつあったな。
「官邸画家ゴヤは見た」未見ですが・・・。
監督はほぼ伝記映画ばっかり作っているミロス・フォアマン。
「カッコーの巣の上で」「アマデウス」
「ラリー・フリント」「マン・オン・ザ・ムーン」・・・名作揃いだなぁ。
それにしてもジム・キャリーの最近の暴走ぶりがちょっと心配。
これでオスカー獲ってたら今どうなってたんだろう?
REMもまさか解散するとはなぁ。
フォアマン作常連俳優のヴィンセント・スキャヴェリが亡くなったときは
ちょっとショックだったなぁ。↑この人絶対見たことある俳優さんだよね。
とまぁゴヤの話、全然書いていないのですが
当初官邸画家ですから、ゴヤって由緒正しき雰囲気、
もしくは右思想でノホホンと生きていたのかなぁ
なんて思ってたんだけど、意外や意外。
ものすごく社会派だったのです。
愚鈍な人物をロバに例えて描いたり、戦争の悲惨さ、
闘牛は悪だとか、そういったものを真っ直ぐに見つめて
ドロドロとした負のパワーから描き続けていた・・・。
数々の絵と対峙して、その意外さに驚愕。
お正月からちょっと陰鬱な感じになってしまったけれど、
知的好奇心を揺さぶられるいい展示でした。
で、西洋美術館と言えば
前述の話を引き合いにするべく
設計はル・コルビュジェ。
西洋って世界遺産の登録を何度も申請しているけれど、
個人的にはうーんと首を傾げちゃう。まぁ不思議な空間ではあるけれど。
案の定、登録何回も落ちてるわけで・・・。
でも行くと結構写真撮っちゃうんだよなぁ。
そうそう、第2展示室で知らなかったのだけど
偶然ウィリアム・ブレイクの版画展がやっていた!ラッキー!
宗教画ってどうも好きではないんだけど、
ブレイクは英国人ですからね、やっぱり基本だろうとw
よく見るとヘタウマっぽいんだけど、
緻密に書き込まれた線という線を追っていくと
見れば見るほど魅了される不思議な絵である。
ダンテの神曲の挿絵もよかったけれど、
ヨブ記に心を奪われたわー。
サタンの堕落。
繁栄を回復したヨブとその家族(めでたしめでたし)
ふちのヒツジや牛、フォントが「かわいい」なんていうと
けしからんか?
ウィリアム・ブレイクの詩に曲をつけた「エルサレム」は英国第3の国歌。
(第2の国歌は威風堂々←上下に踊るのがいいんだよなー)
BBCPromsで毎度おなじみの曲だけど、
こうみんなで歌われると、本当に圧巻!
これ見るとあーイギリス行きたいって思っちゃうんだよなぁ。
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2012年もいろいろな物を吸収して日々更新したいものです。