2012-01-06

THE TRIP

あけましておめでとうございます。
いつも読んでくださっている方、
通りすがりの方もありがとうございます。
感謝感謝。
今年もつらつらと書き綴っていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

ところで。
最近、急激な円高で
経済不況、赤字国債の発行における財政難、
年金・保険改革および復興税の導入・・・
とまぁ先行き見えず、嗚呼憂国と嘆くのも
まぁ正月からどうなの?なんで
そんな状況下での嬉しいことと言えば

円高なので、アマゾンUKがありえんくらい安い!

これです、これ。
もうアホみたいにDVDだの書籍だのを購入し
一人悦に入って、自分の部屋も
「ときめくもの」でいっぱいな今日この頃。

その中でも
最高だったひとつが
マイケル・ウィンターボトム監督の「The Trip」
これは、東京国際映画祭で
監督が来日した際の顛末に詳しいのだけど、(→ここ参照
あぁあのとき私がティーチインで手を挙げて
質問したからこそ、この作品を知り、買って、見て・・・

そしてこの映画に恋をした。そう、これが私の見たかった映画だった!
ウインターボトム、Trishnaは散々だったからこそ
どうしてこれを東京国際映画祭に持ってこなかったのかなぁ?
まぁキュレーターは本当にどうかしてるわな。

出演は、
Steve CooganとRob Brydon。
UK好きならお馴染みのコメディアン。

イングランドのマンチェスター近郊に住んでいた時、
当時の恋人の影響により
延々とテレビを見ていたのだが、
これで「UKとは何たる国か」を学んだ気がする。
スノッブで下品でそして何よりもBrutal・・・残虐さ、
それがUKなんだと肌で感じた。
それが顕著に表れているのは、コメディだった。
20代の多感なときだったからこそ、
カルチャーショックを受け、そして今の自分の礎・財産となった。

日本人にとってUK好きは多いけれど、
あんまりコメディのことを話せる人が少ないんだよねぇ。
未だにモンティパイソンとかMrビーン止まりなのが
もったいないなぁというか・・・。うーん。

住んでいたのは2003年~2005年あたりまでだったのだが、
彼らとRickey Gervais
The Officeは国宝級 これ本当にイギリスで大ニュースになった)
Peter Kay(長年ジョンスミスのCMやってるけど全ておかしい)
Harry Hill、(モリッシーの真似が激似
League of Gentlemen(次世代のモンティパイソン
Chris Morris(ジャーヴィスの真似鉄板。彼は後に過激すぎて干される)
Leigh Francis(Bo selecta!のマイケルジャクソンネタが鉄板
Jimmy Carr、Graham Norton、Bill Bailey、Matt Lucas&David・・・
それからSacha Baron Cohen!

砂漠が水を欲しがるが如く
彼らの番組を延々見続けていたものだった。
今でもyoutubeでたまに見ては大笑いしている。いやぁいい時代!

で、今回のこの「The Trip」だけど
二人はもともと仲が良く、ウィンターボトムの
「24HPP」「A Cock and Bull Story(トリストラム・シャンディの生涯と意見)」
で共演しているので、タッグを組むのは3度目。

内容はいわゆるモキュメンタリー。
クーガンはオブザーバー紙の取材のために
湖水地方にある6つのフレンチレストランを周る。
恋人と楽しく、と考えていたが、最近仲はギクシャク。
結局距離ができてしまう。
代替えに、と選んだのが、ロブ。
かくてランジ・ローバーの旅が始まる・・・。

お互いの演技を戦わせたり、罵倒したり、
北イングランド出身VSウェールズ出身の不毛な議論、
はたまた孤独なシングルVS良き家庭人の対比など
本当に私が好きな内容が詰まっていました。
大笑いしたのが「マイケル・ケインの物真似対決」
She was only 16 years old! いやぁ本当に似てるね。

でも一番すごいのが、ホーキング博士。
こういうのが普通にまかり通るのがUKのいいところだ。

そしてやはり白眉ですなぁクーガン。
若い時よりかっこいいなぁ。私生活乱れまくりだけど、
この人ってセクシーなんだよなぁ。大好きだ。
UKでは超ビッグなコメディアン、だけどアメリカではイマイチ・・・。
中途半端で虚勢張ってるクーガンの時折見せるペーソスがねぇ、
たまらんのですわ!
マイケル・シーンよりも俺の方が素晴らしいだろ!
というエゴイスティック丸出しの演技がリアルすぎる!

そしていわゆる「何の意味もないチャット」
この映画の最大の見せ場はここだと思う。
ムーアを走りながらどちらからともなく「古今東西でお題はムーア」
そしてふと口づさんだ歌・・・。あぁ完璧なライン!
ずーっとウィンターボトムの映画を見続けてきた私は
こういう小ネタが来ると、思わずニンマリしてしまう。

彼の映画の法則ともいうべき鉄板ネタって
マンチェスターネタ(Joy Division)とマイケル・ナイマンなんだけど・・・
(つまり「24HPP」と「ひかりのまち」からの引用。
これって監督自身大好きなんだろうねぇ。)

この「The Trip」はそんなのも当然の如く出てきます。
この曲こそこの風景のサウンドトラック、としてかかるのが・・・
やっぱりこれかい!
ちなみに24HPPのときに出てきた
マンチェスターは鉄道、コンピュータ、跳ねる爆弾を発明した
というセリフと全く同じラインが出てきますw

そしてエンディングに流れるのは
マイケル・ナイマンのIF
とまぁウィンターボトムの趣味が炸裂した素晴らしい内容!
★★★★★文句なし!

限りなく日本公開はない、のは寂しいところだけど
これ意外と今年の「したまちコメディ映画祭」に出したら
大爆笑すると思うんだけどなぁ。
やっぱり日本じゃ難しいのかなぁ?

美しい湖水地方の風景やホテル、
独創的なお料理みるだけでも価値あるんだけど!
http://www.bbc.co.uk/programmes/b00vsvv5

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