2012-07-27

JG-L Holic 1

今年前半、はまったもののひとつに
「Joseph Gordon-Levitt」がある。
いや、前から好きなんだけどねw

なぜか熱病の如く、襲ってきたんだよ、JG-L波が!
ダーク・ナイトでも重要な役どころで出演しているので、
超期待大! 早く見に行かないと!

というわけで、極寒の冬の間から早春まで、
あまりにも多い彼の作品をコーヒー片手にことごとく見続けていた。
せっかくだからおさらい。
ちなみに過去鑑賞した「500日のサマー」と「インセプション」は除く。
「50/50」はまた別の機会に。

「恋のからさわぎ」(1999)
ヒース・レジャーとジェームス・フランコを足して2で割って
情けなさを多めにふりかけると、 あら不思議!
JG-Lの出来上がり。 というくらい、よく見りゃ似てるわ、この2人。

この映画は、ヒース・レジャーのハリウッドデビュー作で、
 シェイクスピアの「じゃじゃ馬ならし」がモチーフになっているんだけど
彼が亡くなってしまった今見ると、隔世の感・・・。

ヒースもJG-Lもその後ダークナイトに携わるとは、と改めて驚く。

 JG-L目当てで見たんだけど、
思った以上に内容が素晴らしく、 DVD欲しくなってしまったわ。

ハイスクールもの映画でもやはり原作がしっかりしているので
(クルーレスとかもオースティンのエマが原作だったっけな)
甘酸っぱさもご愛嬌。
JG-Lは高校生役なのに小学生みたいだ。 幼い・・・。
にしても、やっぱりヒース・レジャーに目が行ってしまう。
    
 ジュリア・スタイルズも、とんと見かけないが、
 こういうツンとしたキツそうな顔、実は好きなんだよなぁw

劇中、ヒースの歌う「君の瞳に恋してる」
この歌のカバーはたくさんあれど、
A-haのボーカルであるモートン・ハルケット版
(コーンヘッズサントラに収録)

を超えるものはない、と
正直その思いは揺るがなかったのだけど・・・
いや、ヒース版がトップだね。またこの吹奏楽アレンジがよい!
歌もものすごく上手! 改めて夭逝が悔やまれるわ・・・。
「Brick」(2005)
アメリカ映画ながら、どこかヨーロッパのような雰囲気。
2005年のサンダンスで上映され、
監督ライアン・ジョンソンは今年のJG-Lの新作「Looper」で
久々タッグを組む。
とは言いつつ
菊地凜子とエイドリアン・ブロディが出演していた
「ブラザーズ・ブルーム」もこの監督作なんだけど
ひょっこりJG-Lはカメオ出演してるみたい。未確認だけど。
確証ないけど、Looperは日本で公開されそうだなぁ。
いつかはわからないけどw
で「Brick」ですが。
消えた彼女を追う高校生役がJG-Lなんだけど、
ものすごく「輝いていたころの」窪塚にそっくり!
しかもこの「Brick」、内容も「IWGP」ぽくてねぇ、
もう何の映画を見ているのかよくわからなってきたw


高校生にしては、前述の「恋のから騒ぎ」とは異なり、
ダークでアングラな雰囲気。
屈折しまくりのJG-Lは、ものすごく役にはまっていて
ミッシングピースを淡々とかき集めていく。
スタイリッシュでかっこよすぎっす。


点が線となって、非情なラストシーンまで、
なかなかどうして見ごたえありまくり。
1日で堪能するのがもったいなくて、3日くらいかけて少しずつ見たなぁ。


この映画、かつての美少年だった
ルーカス・ハースが出演していたんだけど、
まぁどうしてこうなった?という驚きもあったわ。
小室哲哉みたいだ・・・。
マーズアタックの時、すごくかっこよかったのになー。
それにしても、「マーズ・アタック」って出演者が豪華すぎる!
Sex and the cityのサラ・ジェシカ・パーカーも
このイケテナイ感じの方が印象強いなぁ。
ジャック・ブラックがエイリアンにやられていたり
最終的にトム・ジョーンズが解決するという
今考えると、むちゃくちゃな映画だったなぁw
確か、DVD持ってたけれど、どこへ行ったかしら。。。

2012-07-23

Big Miracle

 先週から公開されている「だれもがクジラを愛してる。」
公開前に試写会に行ったのだが、遅ればせながら感想をば。

この日は、雨が降っていて
会場も文京シビックホールという地味な所で
なんとなく食指が動かない・・・

加えて原題「Big Miracle」なのに
何がどうして「だれもがクジラを愛してる。」(句読点付き)なのか。
これは、「He's Just Not That into You」が
「そんな彼なら捨てちゃえば?」にしたパターンと恐らく一緒だなぁ。
と、思ったら仮タイトルが「Everybody loves Whales」だったそうな。

ちなみにこの2作とも同じ監督。
それだけでもう見る価値もないのかもしれない。  
しかし、インターネットのない時代の報道の伝播力が、
果たしてどのように描かれているのか、
 ここには興味があった。
なので、見に行ったというわけ。まぁタダだし。

それはそうと上映前に簡単なアンケート調査があり
  「あなたはドリュー・バリモアが好きですか?」という項目があった。
 YESと答えた人には
「下記の中から一番好きな作品を選んでください」
とあり、選択肢は

チャリエン、ET、
25年目のキス、50回目のファーストキス、2番目のキス
(紛らわしすぎる)
ラブソングができるまで、そんな彼ならrh、スクリーム・・・だったかな?

私としては「ウェディング・シンガー」一択!
しかし選択肢になかった!

その他のところに、しっかり記入。
ちなみに小さい時に見て、なんとなく印象に残っている
「炎の少女チャーリー」も選択肢になし。

80年代のスティーブン・キング原作の映画は、何気に好きだ。
「炎の少女チャーリー」はなんとなく設定が「キャリー」ぽいんだけど、
この二人が対決したら楽しそうw

温和なセントバーナードが、蜂に刺されて狂暴化する「クジョー」とか
たまーに見たくなる。
(犬の演技が尾っぽ振ってたりして、うまくないんだけどw)

そんなわけで、このクジラ映画なのだが、
1988年に起きた実話。
氷に阻まれたクジラを如何にして助けるのか、
そしてその周りの人たちの策略とは・・・

うーん、いかにも、なご都合主義というか、
アメリカ的というか、まぁハッピーエンドなんだけど、
この手の話は、どうも苦手だ。
まぁ食指が動かない理由、的中したんだけど。
グリーンピースの支部長役である、ドリュー・バリモアの
キーキーとした金切声に嫌悪感を抱いてしまった。
(まぁそれは彼女の演技が素晴らしいってことで)

映画では、クジラをダシに出世をもくろむアンカーウーマンとか、
副大統領候補の陣営などを織り交ぜているんだけど、
いかんせん、クジラって優遇されすぎ!
(動物に優劣付けること自体がなぁ)


鑑賞した翌日、
その当時の報道ってどうだったのかなぁと思い調べてみたところ、
やはりイギリスの「エコノミスト」が
クジラ救出劇を皮肉っていた!

「このエピソードは、テレビ時代において人々の同情の気持ちが
どのように操作されるかについて何かを教えてくれる。
クジラと並んで晩のニュースは中米のハリケーン『ジョアン』と
フィリピンの台風『ルビー』によってもたらされた災害の映像を放映した。
それらは無名のありふれた悲劇だった。」

「たしかに米国はコスタリカとフィリピンにそれぞれ25000ドルの
緊急援助をすることに応じた。しかしクジラ救出作戦の費用に比べれば、
それはほんの小銭にすぎない」

「連邦議会のある対外援助推進者は救出劇のテレビを見て複雑な顔をした。
『同じ悲惨さを扱うならバングラデシュの家庭だって取り上げられるのに』。
視聴者にとっては、クジラにもハリケーンにも名前がついていたが、
ハリケーンの犠牲者は名無しだったのだ」

(エコノミスト 1988年10月29日号)

第三世界では、天災などで苦しんでいる人間がたくさんいるのに、
クジラ三頭のため、あそこまでする必要があったのか?
と辛辣に皮肉交じりに書いている。
うーん、この映画見るよりも、当時のルポ読んだ方が遥かに価値あるかも。


ちなみに、アメリカではこの映画、成績が振るわず
赤字となってしまった。うーん、納得。

2012-07-11

Parked

野外フェスも乱立している昨今だけど、
映画祭も気づけば、毎週どこかで行われているような。
特集上映も「映画祭」という言葉でハイプになっちゃってるのかな?
というわけで、先々週末渋谷UPLINKで
「奥渋谷MOVIE NIGHTS」という映画祭が行われてました。

とはいっても、この映画祭、
ダブリンで行われている
「JAMESON presents International Film Festival 」の外伝。
この映画祭で受賞した作品は、
後に世界的な評価につながるものも多くて
(Onceとかぼくのエリとか)意外とセンスがよいなぁ。

協賛がJAMESONってことで、1作品ウィスキー付き800円と
目にも喉にもおいしい映画祭。UPLINKさすがー。

その中で上映されていた「ダブリン海岸駐車場」(原題:Parked)という作品、
イントロを見ただけで、これはと思い、
雨のそぼ降る中、奥渋谷へ。

イギリスで失業し、故郷ダブリンに戻ってきた時計職人のフレッド。
身寄りもなく、今は海岸沿いの駐車場で車上生活を送っていた。

 ある日、カハルというホームレスのジャンキーがフレッドの隣人になる。
 心に傷を抱えながらも、明るく人懐こい性格のカハルによって、
次第にフレッドに前向きな気力が生まれていく。

そんな中、フィンランド出身で未亡人のピアノ教師、ジュルスと出会い、
停車状態だったフレッドの人生は、ふただび動き始めるのだが・・・。

 

予告編からして
ケン・ローチやマイク・リー直結の、
いかにもな、イギリス映画。

この手の内容は、多感な頃に見続けていたのと、
最近どうも映画館で上映されないのもあって、
どうしても脊髄反射で見に行ってしまうんだよなぁ。

イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドと聞くと、
それだけでOKなもんで。

アイルランド映画というと、数は少ないけれど名作は多し。
絶対的な名作は、やっぱりコミットメンツだよね!
これは本当に大好きだ。
バンド(音楽)やろうぜ!っていう映画ジャンルの中では最高峰かなぁ。
ソウルを表現できる者、来たれり、という新聞広告を載せて
いろいろオーディションに集まってくる連中がおかしい。
特にThe Smithsの「Heaven Knows I'm Miserable Now」の弾き語りに
「あぁ、わかるよ、その気持ち」と言うところが好き!
 
ちなみに主人公ジミーの妹役で出てくるのは
後にThe Corrsのヴォーカルになる子である。

で、この「コミットメンツ」に出てくる
エルヴィス・プレスリー狂のお父さん役の人が、
この「ダブリン海岸駐車場」の主人公フレッドなのです。
久々見たわ、と言っても忘れているだけか。
くたばれユナイテッド」にも重要な役で出てたか。

 

自分は2006年に初めてアイルランドを訪れたのだけど
そりゃあ好景気で、外国人労働者を積極的に受け入れるわ、
(ポーランド人が多い印象を強烈に覚えている)
まさにバブル花盛りであった。
大きなコンサートホールや、川沿いは再開発され
まるで小さなロンドンのようだった。
 
その後2009年に再度訪れた際は
すっかりバブルが弾けて、なんだか今思えば
ユーロ危機の崩落はここから始まっていたのかもしれない。

そんな背景もこの映画の中にはしっかり刻み込まれている。

仕事のない焦り、将来に希望が見出せない、
無職であることが言いだせない、
一歩踏み出すことの難しさ・・・

なんだか今の日本にも言えることだなぁなんて思ってしまった。

 

この映画を監督したダラ・バーンは、
ケン・ローチの「エリックを探して」をずいぶんお手本にしたそうだ。
最近のケン・ローチ作品は、どうもハッピィエンドが多いので
ケス好きの自分としては物足りないのだけど

 

この映画も、結末はかなり悲惨ながらも、
少しずついい方向へ風が吹くような、
なんだか暖かい映画でした。

 

冬に改めてUPLINKで公開決定とのこと。
それまでに、ホームレスのジャンキー役で映画に出ていた
  
(2014/01/19追記)
「ダブリンの時計職人」というタイトルに変わり
2014年3月末から公開決定。
結局、初見から1年半以上かかったか・・・。
 

2012-07-05

The Amazing Spider-Man

「アメージング・スパイダーマン」を見に行ってきた。
監督マーク・ウェブ、出演アンドリュー・ガーフィールド、 エマ・ストーン、
そしてリス・エヴァンスと 彼らが携わっていた作品は、ほぼ好き!
その反面、今なぜスパイダーマン?
サム・ライミの3部作は最高だっただけに、これ以上やることがあるのか?
しかもアメコミなのに、どこかUK色濃い布陣で どうするんだろうか・・・。
 一抹の不安。
 まぁでも水曜日なので、3Dメガネ入れて1400円で鑑賞。
 映画を見ていて常々思うのだが、
いくら俳優が素晴らしい演技をしたところで、
 結局評価の出来云々は監督の腕に委ねられている。  
サントラ、衣装、インテリア、カメラアングル、
 編集処理、 脚本、脚色、それぞれの役割があっても、だ。
 そういう意味で言うと・・・  マーク・ウェブ監督、ちょっと辛かったなぁ。
 というか、どうしてもどうしてもサム・ライミと比べちゃうんだよなぁ。
***********
 私は「死霊のはらわた」も勿論好きなんだけど、 「ダークマン」!
  あの作品が本当に大好きで大好きで DVDがない時代にVHSで買ったほどだ。
(その後DVDで買いなおした)
 リアルタイムで彼の作品を見たのがこれだったので、  
以来、駄作だろうがなんだろうが、ずっと追っかけている監督の一人である。
  彼の十八番である地を這うようなシェイキーカム
 
真面目にやってても、どうもおかしい、
 怖くてグロイのに独特の間の面白さがトリッキー、
  といったまぁカルト監督の一人だったと思う。
 ブライアン・デ・パルマの継承者なのかなぁと思っていたら
 「スパイダーマン3部作」でいきなり大御所になってしまった。

といっても、スパイダーマン3部作もサム・ライミらしさというのかなぁ、
盟友ブルース・キャンベルが出ているだけで、やっぱり嬉しいし
 (3になるにつれ出番が多くなっているのも嬉しいw)

例えば、わざとらしい演出をわざとやるというか
ダサさの塩梅が上手だったんだよねぇ。
 
こういうのってお約束じゃない?   ドリフ的というか。

 マーク・ウェブ版はやはりスタイリッシュなんだよねぇ。
   「500日のサマー」でのthe Smithsの引用やディズニー風ミュージカルシーンとか
(「モテキ」でパクってたようですね)
    

監督2作目がスパイダーマンは、 どうもそぐわないなぁとしか思えなかった。
もったいない。

 マーク・ウェブの作品で傑作なの
ダニエル・パウターの「Bad day」だと思うんだけど
ボーイ・ミーツ・ガールものを撮らせたら、
次世代のリチャード・リンクレーターとか、
キャメロン・クロウとかに 成り得る可能性があると思うんだけどな。
 そういうのを撮ってほしいと願ってやまない。

  「アメージング・スパイダーマン」には
 一瞬彼らしいショットがあるのですが  
(そのシーンにかかるのはColdplay「Til Kingdom Come」)

  そこの部分は、映画のハイライトと言っても過言ではないほど
    とても美しく穏やかな光景だと思いました。

  と、ピーターの自室にマーク・ゴンザレスのポスターがあったり、
    ヒッチコックの「裏窓」のポスターなんかもあったんだけど、
  ここは完全に彼の領域なのかなぁ。

   そういえば、サム・ライミもヒッチコックに敬意を表して
撮影中はずーっとスーツ姿なんだよね。
ちなみに大人の事情でピーターが使用しているスマホは
ソニエリの「Xperia」でしたw      

最後に、リス・エヴァンスについてひとこと。
SFAのクリップ「Hometown Unicorn」に出ていた時から
見続けていたのだけど、
大スクリーンで会うのは本当に久々。
 にしても、トカゲに変身だなんてなぁ・・・。 とほほー。
  (ここの設定もどことなくサム・ライミのダークマンっぽい)

  こんな気持ちは、デビュー作から惰性で見ていたレイフ・ファインズが
ハリポタで「スケキヨ」まがいをやったとき以来!
最後はどことなく「ヒューマンネイチャ」の原始人ぽく
脱ぎ脱ぎ俳優の面目もあった(ビール腹)のが救いだったわ。 

ちなみにスパイダーマンはもう続編公開は決定してるけど
本国ではどうなのかなぁ・・・。 気になるところ。
 マーク・ウェブ監督の次作に期待。 これで消えないでほしいなぁ、本当に。