気になる。最近、どうも気になる。
いかにもな、ゲルマン系の苗字と顔、
しかし、私は彼のことをアイリッシュもしくは英国人だとばかり思っていた。
Du bist sehr schön!
(私の唯一知っているドイツ語。出典はBlurのGirls &boys)
と、いうのはここのところ2本も立て続けに彼の作品を劇場で見たから。
しかもどちらも英国映画だったもんで。
しかもどちらもハードなセックスシーン満載だったもんで。
そういう系の御用達アクターなのか?
いずれにせよ、気になる。
昨年、大好評だった
「三大映画祭週間」に、
今年もいそいそと参加したのだが、
やはり言うに及ばず英国映画「FishTank」目当て。
BAFTAの2009年の最優秀映画賞を獲得した作品。
ちなみに翌年は「英国王のスピーチ」が受賞しています。
この「Fish Tank」は、あまりにもドンピシャな英国映画。
はい、ワーキングクラスの日常with暴力、なもんで
こりゃあ日本には配給されないよな・・・
でも私の大好物なわけで、喜び勇んで見に行った。
この手の内容って、
ケン・ローチしかり、シェーン・メドウスしかり
近年ではパディ・コンシダインの「ティラノサウルス」や
「ダブリン海岸駐車場」
などで腐るほど表現されつくしているのだが、
女性が主人公の作品は、あまりないことに気付いた。
「マグダレンの祈り」は悲惨だけど、あれはまた違うような・・・。
エセックスにある集合住宅に住む不良少女。
ヒップホップダンスが得意でいつかはダンサーになりたいと考えている。
母親はシングルでネグレクト。
いわゆる「ビッチ」。
ある日、母親の恋人とばったり家で遭遇。
妙に優しく励ましてくれるその彼が気になるミアだったのだが・・・。
なぜ彼女はこうなってしまったのか、という原因が
如実にわかる家庭環境。
荒廃した生活の中で、必死にもがいている姿が痛々しい。
一瞬、良さそうに事が運ぶ雰囲気があるのだけど・・・
やはりイギリス映画、そこのところは容赦しない。
これでもかこれでもか、と現実の厳しさが襲ってくる。
母親の恋人役で登場するマイケル・ファスベンダーも、
本当に最低最悪な「ずるい男」でありつつも リアリティがありすぎ。
そして最後がもう往年の「ケス」を彷彿させるような感じ。
そこに流れるNasの「Life's A Bitch」
Life's a bitch and then you die; that's why we get high
Cause you never know when you're gonna go
Life's a bitch and then you die; that's why we puff lye
Cause you never know when you're gonna go
すごい、ドンピシャなリリック。感動したよ。
これはゲンナリする映画だけど、ちゃんと公開すべき内容だと思う。
そして先週、久々早稲田松竹へ行き、 「SHAME」を見てきた。
コリン・ファースかと最初思ってしまったスチール。
話の内容はいろいろなところで語りつくされているので 把握はしていたが、
生々しすぎる生態を
笑いもなくスタイリッシュに撮っているところ
にちょっと怖くなってしまった。
なんというか生活を覗き見しているような感覚。
そして時折かかる バッハの「ゴルトベルク」と「平均律クラヴィーア」
(グレン・グールドの)
何というかJoy Divisionの「Disorder」の一節、
「I've got the spirit, but lose the feeling」を思い出させるような、
パッションレスな作品。
いやしかし、
この兄妹はどのような家庭環境で育ってしまったのか、
と ふと考えてしまったのは愚問だろうか。
もしくは、そこに至るまでの大きなきっかけが、
きっとあったのだろうが、
それでも人と繋がらないと「生」を感じることができない
憐れみというか悲しさが伝わってくる深い作品であった。
古今東西、依存症を題材にした作品は多いけれど、
RFADの衝撃には、かなわないなぁ。
この映画は本当に自分にとっていろいろな物を教えてくれたわ。
堕ちていく過程がすごすぎる。
あ、でも「Shame」の場合は、「堕ちていない」のか。
だから「恥」と認識しているのかもしれない。
堕ちていたら、恥も外聞もないか。
そう考えると、
「FishTank」同様、
ここから抜け出そうともがいている 葛藤している映画、なんだな、これって。
でもあんまり意思は弱そうだ。体が疼くから難しいのだろうか。
「やめられないとまらない」と言えば アメリカン・サイコ。
(バッドマンの私生活その1)
Shameとは対極にありまくり。
でもこれもニューヨークだった。
そういえば、6ドルTシャツショップでこんなTシャツがあった。
ちょっとほしい。
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