2013-07-01

Hokuriku Trip :Nanao 2

七尾の街をふらふらと彷徨ってみる。

 
港に、海に続く川べり。運河と呼ぶ方がしっくりくる。
福井編でもちらっと書いたが、
北陸地方はどこかイギリスのような雰囲気がした。
だから何となく懐かしい心地。
 
運河を横切って小道を入ると(一本杉通り)
何とも趣のある街並みが続いていた。
これは「蝋燭屋」さんの「高澤ろうそく
 
 
  
この燻した色の例えようと言ったら。
(右横書きじゃないということは、そんなに古くはないのかしら) 
 
 
 朽ち果てんばかりの鮮魚店。
 

昆布・海産物を扱う「昆布海産物處 しら井」
 
 真っ直ぐな道を進んでいくと
なかなか良さげな雑貨屋さんを発見。


 
「歩らり」という名の雑貨屋兼カフェ。
 
ちょうどカミバコ展なる展示をやっていた。
いわゆる紙箱を綺麗な布で包んで「ファブリックパネル」を作る、
というもので・・・。なるほどなるほど。
 
ちょうどコーヒーが飲みたかったので注文。
(この辺りはコンビニすらない)
店主としばし談話。
 
2階に続く階段があり上ってみると
そこには骨董品が並んでいた。
「古」という漢字が付く物にめっぽう弱い自分は
(「古着」「古本」「中古なんちゃら」)
やっぱりここで御眼鏡に叶うものを見つけてしまった!
 
それは「文机」!
私の部屋は、実を申せば祖父から、そのまた上の代から
引き継いだ骨董だらけ。部屋に仏壇もあるし。
えぇ和室で、土壁ですよ。ポスターは貼れません。
 
卓袱台にパソコンを載せてカタカタやっているわけなのだが、
物を書くときの机が無いので、部屋にマッチするものを探していた。
 
この店のオーナーであるご主人が、
「この文机、近所のおじさんが
『端午の節句の兜を置くのにぴったりだ』と
言ってましてねぇ」と言うのを聞き
勝手に対抗意識の焔が立って、まさかのお買い上げ。
旅先で机買うとは!自分でもびっくり!
 
宅急便で都内まで送ってもらうように頼み、店を後にする。
 
外に出ると、雨が降っていた。
寒くてしょうがないので、凍えながら駅に向かう。
 
 
 和倉温泉方面へ向かう列車は
第3セクターの「のと鉄道」の七尾線。
NOTO GO! という文字は一見すると逆の意味にも捉えかねない。
(輪島出身の永井豪のデザインとのこと)
 

 
特急に乗ると名古屋や大阪に行けるとは!
 
 
七尾はちょっとした驚きのある街だった。
なんだか導かれたような心地。
 
 
心にいつまでも温かく残る訪問先だった。 
さぁ、金沢に戻ろう。
 
金沢に戻り、ビニール傘を買って街を散策。
件の先輩(男性)が
「金沢にしかない甘納豆屋さんなんだけど
ものすごく美味しいのでお勧めです」と言っていた
「甘納豆かわむら」へ。
 
 
 
異論なしで上品で勿論美味な甘納豆!
職場のお土産に買って行ったが、大好評。
先輩にも特別に差し上げたのだけど
「ほろ苦い思い出が蘇る」と感慨深く話していた。
(新人時代に辛酸を舐めた地だとのこと)
 
さて夕食、というか晩酌。
繁華街「片町」で金沢おでんを食べることにした。
というわけで観光客らしく「赤玉 本店」へ。
女ひとりでも入れそうな雰囲気。
やっぱり「天狗舞」を呑む。(都内より安いよ!)
 
おでんは地方によって具が様々。
一家言申したいことがある人は多いかと思う。
かくいう私もなのだが。
各都市によってバリエーションがこれほどまでに顕著な料理って
おでんの他にあるかしら?。
 
小生、東京出身なもので
ちくわぶは必須で、
もう大根とちくわぶだけでいいくらいなんだけどね!
九州だと手羽先は絶対だし
関西だと牛すじ入っているし・・・。
タコ足だの、焼売だのもあるし・・・。
うーん、おでんの具の謎は深い。
 
で、この赤玉本店ですが。
ちくわぶ、がない!(当たり前か)
 
なので
 
定番の大根と玉子、それから肉団子、
そしておでんの具としては初体験の「里いも」にしてみた。
結果、「里いも」はアリ!
これは素晴らしい発見だったなぁ。
 
お酒も進み、佳き夜だった。
隣に座っていた親父さんがしつこかったが・・・。
 
疲れたので早めにホテルに戻る。
その途中の地元のスーパーで美味しそうなプリンを発見。
 予想通りおいしかったー。
 
テレビを点けたら明日の天気予報に驚愕。
 
旅ってサバイバルだよなぁ・・・。戦々恐々で眠りにつく。



2013-06-30

Hokuriku Trip :Nanao 1

2日目の朝。
簡素で、どうせ大したことないんだろと、
バカにしていたホテルの朝食が意外においしくて
朝から得した気分になった。
(なんせ1泊3000円だからな・・・)
お米もお味噌も口に入れた瞬間から全然違う。
舌の肥えていない自分が感じるから、よっぽどだ。

さて今日はどこへ行こうか。
昨日の夜、金沢市内を徘徊して気づいたのは、
非常にコンパクトな街だなぁということ。
なので、ここで2日過ごすのは、
むしろ暇を持て余してしまうかも・・・。
なんて思い始めた。

一日まるまる使える日なので、
じゃあ、どこか違うところへ行ってみようかな、と
咄嗟に計画。
出来るだけ出来るだけ上(北)へ行ってみたいなぁと思い立ち、
「七尾」に行ってみることにした。

富山行きのローカル線に乗る。

人がいなくて本当にいいなぁ。


のどかでよい。
音楽聞きながら、窓の外の景色に見惚れていた。

目的地の七尾に到着。
ゆるキャラがお出迎え。
なんだろう、とうはくん、って???

と思ったら、この七尾って
長谷川等伯の故郷なんだね!
そんなの全然知らなくて、直感で訪れたもんで
自分の勘の良さというか「導かれ具合」にビックリしてしまった!
 

駅前に立つ等伯の銅像。
2年前のブログに、等伯の絵を見たさに京都を旅した。
金地院智積院で彼の絵を見た感動はひとしおだった。
 
2年ぶりに東京国立博物館で展示された
「松林図屏風」も1月しっかり見てきたし
(写真撮っていいだなんて、ねぇ!)
 
 
日経に連載されていた「等伯」も今年度の直木賞を受賞したし
七尾はここぞとばかりに、追い風が吹いている。

さて、これからどうしようかな。
市場で、まずお寿司でも食べようかしら?
なんて思って、バスに乗る。

実は、バスに乗らなくても歩いて行ける距離にあったらしく、
しかも、別方向のバスに乗ってしまった。あぁ、何やってるんだか。
和倉温泉の方に行ってたのよ・・・。
(高級温泉街とのことだが、そうは思えなかった)

でも運転手さんが本当に優しくて
「そのまま乗ってきや、お金いらんから」だって。

そんなこんなで、海岸近くにある市場へ行く。

七尾の海は、やっぱり誰もいなかった。
人や生き物の気配が全くなかった。


凪いでいる海をぼーっと眺めていたら、
時折、ジジジジというような音が聞こえた。船も走っていないというのに。
ラップ現象というか、自然界にある特有の音が、ひっきりなしにリズムを刻む。
なんだったのかなぁ、セイレーンでもいるのか?

なんだか咄嗟に映像を撮ってしまったんだけど、
七尾でしか鳴っていない音は新鮮であった。

新鮮と言えば、漁港市場で食べたお寿司は、
本当に泣けるほどおいしかった。
忘れられないお寿司の味。

その後、街をふらふらと旅行者らしく彷徨ってみる。

2013-04-15

Hokuriku Trip :Kanazawa 1

そうして金沢に到着。
ターミナル駅に豪華なオブジェがあって驚いた!



天井の網目が、何とも独創的。
再来年に新幹線が開通するので、東京からは本当に行きやすくなる!
・・・一番行きにくい今、旅行している自分は何なのかw


四角と三角が浮かぶ無数の網目。
天井も高くて、何とも開放的。
金沢ってこんなイメージなのか。意外意外。

小松空港が近隣諸国へ行く国際線も運行していることで
金沢駅周辺はホテルがたくさん。

今回抑えた宿は、駅前で一泊朝食付きで3000円、という
破格なもので、正直怪しいと思ったのだが
会社の先輩は「ここはまともなので大丈夫」とのお墨付き。
おぉ、よかった。
室内は簡素なビジネスホテルだったけど、充分。

荷物を置いて、早速金沢を徘徊。
先輩曰く、繁華街まで歩けるよ、とのことだったが、
とっぷり陽も暮れて、あげく寒さも厳しかったので
とりあえずバスで、香林坊まで向かう。

香林坊、ってなんとなくアジア的な趣のある地名。
中華料理屋ぽいイメージというか。
なので、バスの停留所も何となく異国っぽく思えてきた。

繁華街だったけど、ひっそりしていた。
奈良よりはましか。

北欧っぽい色遣いのベンチがあって、
気になってしまった。

やはり着込んでいても、
金沢の夜は、ものすごく寒い。
たまらず、スタバでカフェラテ熱めを持ち帰り。

ホテルまでの帰り道に何とも印象的な神社があった。

前田利家を祀っている尾山神社。
窓がステンドグラスになっていた。夜空に映えて美しかったなぁ。

その近くにあった日銀の金沢支店。


なんだろう、このフォントすごく好き。
お札の刻印もこれだったと思うけど。
ビシッと四文字熟語になってる風がいいなぁ。



近江市場の横にあった北陸銀行の入り口。
まるで教会のようでおもわずシャッターを切ってしまった。
なんだか、金沢はヨーロッパぽい雰囲気・・・。
というか初めての北陸の印象はこれに尽きる。

こういうガードとか、あまり東京でも見たことないや。



もう解散しちゃったポストパンクの
Pretty girls make graveの
(もちろんThe Smithsからバンド名拝借)
「This Is Our Emergency」のPVに
こういうのが出てたなぁなんて咄嗟に思い出しちゃった。
マイナーバンドのマイナー曲だったけど、すごく好きな曲!
Bloc Partyが売れてるなら、彼らはどうして売れなかったのか?


そんなことを思い出しながら、
ホテルに戻ってWBC見ながら、
買っておいた甘海老寿司を食べて就寝。

2013-03-31

Hokuriku Trip : Kaga

永平寺からバスに乗ってJRが通っている芦原温泉駅まで向かう。
道中は平坦な景色ばかり。
でもどことなくイギリスっぽいかも。
(褒め言葉)


ついつい陽の暖かさにかまけて、船を漕ぐ。
 
そうして降りるべき駅である「芦原温泉」に到着。
 
ちなみにもう少しバスに乗っていると、東尋坊まで行けるのだが、
あまり崖とか興味がないのでパス。

駅のキオスクで喜び勇んで買った、おむすび!
 
でもよく考えたらリアルな蟹じゃなくて「カニカマ」だった!
まぁでも酢飯でおいしかったけどね!
 
普通列車で一路「加賀温泉駅」へ。

ここは屈指の温泉地。
 
むろん自分の宿は金沢のビジネスホテル。
でも、銭湯があるというので、
せっかくここまで来たから、ひとっ風呂浴びたくなった。
なんせ長距離バスに10時間も乗ってたしね。
 
そうそう加賀と言えば、最近「攻めてるなぁ」というこの広告!
 


 Lady GAGAならぬ、Lady Kagaって!
加賀温泉の女将さん達で結成したグループなんだと。
ロゴも一緒だしなぁ。なかなかやるなー。
 
加賀温泉駅と言っても、目の前に温泉があるわけでもなく、
温泉地へ行くには、バスに乗らないといけない。
少し待ってバスが来たので、その間に名物の甘えび寿司の駅弁を買う!
 
カニよりもエビ派!

山中温泉、山城温泉、片山津温泉、あわづ温泉と
温泉地がある中で、比較的近い「山中温泉」で下車。

に、しても全然人がいない・・・。
温泉宿に囲まれた広場に銭湯があった。
外観からして期待できそう!
というわけで銭湯へ。
タオルとか何も持っていなかったので、銭湯セットみたいなので入場。
トータル600円くらいだったか?
周りは、本当に後期高齢者ばっかりでした。

にしても旅の途中で、ひとっ風呂というのは贅沢。
でも眠くなってしまって困ったなぁ。
昼寝したいけれど、そういう場所はなかったわ。
健康ランドやスーパー銭湯じゃないからね。

そうして駅に戻るためにバス停へ。
なかなか時間が合わず、30分以上待たされてしまった。
猫がいて、写真を撮って時間が潰れたのでよかった。


駅に戻って、ここから金沢へ。


ホームにあった行き先案内だけど、なんというアバウトな・・・。
土地鑑がない自分は、こういうのを見るとすごい不安になるわ。
自分がどこにいるのかわからなくて混乱する。

各駅停車に乗って約1時間ほど。
今日は本当に天気が良く、山麓の雪がくっきり見えた。

 

ここは日本であって
なんだかそうでないみたい・・・。(褒め言葉)

そうこうしているうちに金沢へ到着。