2011-09-05

Alone in Kyoto 11

養源院を後にして智積院へ。
どうしてもここは外せなかったので万感の思い。

前述の日記にも記したように、
この京都一人旅の目的は、早い話、
日本画を見たかったのです。
特に、長谷川等伯の作品が。

ここ数年、沢山の日本画・洋画を
有難い事に仕事を通じて見る機会に恵まれた。
当初、芸術の薀蓄などは専門家じゃないので難しいことは分からなかった。
しかし、感じることがすべて、というので語るのならば、
好きな絵や絵描きなどは飛躍的に増えた。
そこから、歴史を辿っていく面白さを覚え、現在に至る。

長谷川等伯の傑作である国宝「楓図」は智積院にあるので、
ドキドキしながら扉を開けた。この扉の向こうにあるのです。

入ってみたら、私だけ!
おおおお、国宝独り占めだよ!!!
金碧障壁画の「楓図」

もう30分くらいずーっと見惚れてしまった。

特に「桜図」は、等伯の息子で26歳で夭逝した久蔵の遺作。
どんな思いで等伯はこの絵を見ていたのだろう・・・

「松と葵の図」「松に秋草図」は等伯のお弟子さんたちが
仕上げたというが。

もともとこの智積院は、秀吉が息子の鶴松を3歳で亡くし、
弔いのために建立した寺院である。

目の前にある国宝と一人きりで対峙しながら
心に迫ってくるこの感じ、寂寥感とやらはなんなんだろう、
としばし考えていた。
震災のことなのか、心の中にあるちっぽけな悩みなのか。
けれど、そんな心と裏腹に
あまりにも素晴らしい芸術を堪能しなくては、
しないでどうするんだ、と思い直す。

たっぷり堪能しつくして、本殿に行く。

驚いた。誰もいなかった。





庭も方丈も独り占め。



檜作りの講堂の廊下から
五色幕越しに青空をボーッ眺めたり。
(透かし模様がきれいだなぁ)

悟りなのかなんなのか、
ちょっと元気出てきた。
神聖な空間だからか?でもどっちみちパワー回復。
あまりにも素晴らしいひととき。
帰り際に恒例の御朱印をもらう。


思わず等伯を一人で堪能してしまいました、と
御朱印書きのおじさんに言ったところ
「よかったなぁ、おねえさんのモンや!」
関西人のこういうテンポのいいところが好きなんだよねー。
東京から来たと言ったら、
お気の毒でしたというような言葉を掛けられたけど
どっちみち
「えろぉ、得しましたやんか、おねえさん」
とのこと。
やっぱ好きやねん!(byたかじん)

そこからバスに乗って次は東福寺へ。

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