2012-04-26

Morrissey Live at Zepp Tokyo 2

(前回よりの続き)

当日のセットリストはこんな感じだったのだけど、
どうやら前日とは全然異なっていたみたい。
個人的に思い出深い「First Of The Gang To Die」や
「Everyday is Like Sunday」
なんかが聞けなかったのが残念な一方、

「I know its Over」や、
まさかまさかの「PPPlLMGWIW」が聞けるなんてなぁ。
もう胸熱くなってしまったわ。

The Smithsは完全に後追いなので、
どちらかというと、モリッシーのソロの方が馴染み深い。
「The Last Of The Famous International Playboys」や
「We hate it when our friends become successful 」の詞は
最早彼しか書けないよなぁ。
モリちゃんは唯一無二の偉大な詩人。

結局前から5列目でみてしまったのだが、
顔を凝視して
鳶色の瞳なんだなぁとか、ロザリオじゃらじゃらとか
ジーンズはLevisなんだなぁとか(リベット確認した)
表情もくるくる変わり、
総じてThis Charming manだったのは言うまでもない。

日本にまだタワーレコードがあることに嬉しがったり
(ピカデリーにかつてあったねぇ。)
国連はクソだ、と訝しがり、
口の悪い外人(wanka)にスティーヴンと言われて苦笑いしたり、
客席から投げられたジャン・コクトーの雑誌を愛おしく抱きしめたり
Meat is murderの映像に
「バイバーイ」と手を振ってステージの袖にひっこんだり
最後は日の丸を腰に巻いて登場したり。
モリちゃん、お茶目すぎるわ。

最後の曲はStill ill。
みんなポップコーンが弾けるように狂喜乱舞。
モリちゃんの脱いだシャツが、なんと自分の目の前に!!!!
とったに掴んだんだけど、
周囲がドドドーと押し寄せてきて怖かったなぁ。
一瞬ラフィンノーズの時みたいに(古いね)倒されると思ったなぁ。
しばらく掴んでいたんだけど、怖くなって離してしまったわ。
そうしたら、ライブ終わってたw
見事ゲットしたガールは、開演前に少し話した方だった。
彼女が手にしてなんだか嬉しい。
匂いをかがせてもらったんだけど、
トニック系で少しウッディがかった感じ。
あんまり自信ないけど、多分ペリハリガンのオリエンタルのどれかかなぁ。
「利き香水」は難しいなぁ。

ちなみにシャツのメーカーは「angelo galasso」
一時は、ドリス・ヴァン・ノッテンばっかり着ていたような・・・。
あ、でも最近はここのシャツばかり着ているみたいね。
ヴィーガンの靴を履いていたかどうかはわからないけれど。

とにかくライブは素晴らしい時間を
時空を超えてモリちゃんと共有できた、これに尽きる。
終演後、Smiths、モリッシーファンとご飯を食べて盛り上がる。

私が大好きなシュールなモリッシーを紹介。
子供: "Where are we going?"(どこへ行くの?)
モリッシー: "We're all going mad"(狂いにいくんだよ)
子供:"I thought we were going to kew gardens" (キューガーデンだよ)
モリッシーのややドヤ顔!
最高すぎる。

素晴らしい夜であったのは間違いない。
でもでも、やっぱり少し消化不良なんだよなぁ。
こういうセットリストで来るなんて・・・

そう、次は、もしかしたら?に賭けるのもいいかも、
最後だし、どうかどうかどうか願いを聞いてください、
・・・気づけば3日の恵比寿のチケット買ってしまっていた。
モリッシー、その神通力や恐るべし。

というわけでまた来月。
I'll probably see you again!

2012-04-25

Morrissey Live at Zepp Tokyo 1

唯一無二の存在が漂うアーティストが好きだ。
この人しか成しえないと思わせる説得力があって
尚且つ後継者なし。
芸術家なら誰しもそうなのかもしれないが
自分が思うに、そのオーラを強く強く放っている人のライブに行ってきた。
その名はモリッシー。
頭に猫を載せてドヤ顔で写真に納まってる人は彼以外いたかしら?

意外にも初モリッシー。10年ぶりの来日で、
前回はサマソニだったのも覚えているが、
その時は、単純に行きたくなかった。

フェスで拝見するのは、何か失礼だなぁというか
もっと言うと、見るには早すぎると自分で勝手に拒否をしていた。
研鑚が足らないというかね、
モリッシーって聞くのに敷居が高いって思ってたわけで。
ワイルドもキーツもイエーツもジョイスも読破していなかったし
加えて暗くて惨めで不幸でもなかったし。
そうじゃないと味わえない音楽というか・・・
10年前の自分の思考は若さゆえに歪んでたなぁw
まぁあれからイギリス住んだりして、
アイリッシュ、スコティッシュ、ウェールズとの
パワーバランスだのの英国事情も学び、
心療内科に通うくらいの失恋もしたし、失業もしたしで、
短期間ベジタリアンになったりしたりして
やっとモリちゃんの言うこともわかってきた。
で、満を持して、の面持ちで今日を向かえたわけだ。

せっかくなので、グラジオラス買おうと思ったら花屋に
そんなものはないと言われてしまい、落ち込んでいたら
ツイッターで造花を譲ってくださる方がいて、落ち合えた!
そうしたら、後ろにいた外国人さんに
「きゃーあんたたち何持ってるのよー」と写真を撮られた。
そういう外国人率多くて海外のヴェニューぽかったなぁ。
NHSメガネに補聴器、リーゼントのなりきりモリちゃんもいたっけ。
写真撮らせてもらえばよかったわ。
モリちゃんお気に入りのNY dollsの映像がガンガン流れ
ライブスタート。
バンドメンバーが赤字に白文字の「ASAD IS SHIT」のTシャツ着用。

モリちゃん、開口一番
「タスケテー」と言い放つ。お前は横山弁護士か、
すごい展開だなぁと思いつつ
1曲目「How soon is now?」

おおおお、まさかこれでスタートするとは。
あの轟音ギターがマーだったらなぁなんて思いつつ
場内大合唱。

「You shut your mouth
how can you say
I go about things the wrong way
I am human and I need to be loved
just like everybody else does」

年を重ねても、なんだか自分が間違っているような思いに捉われるとき
瞬間に、この詞が真っ先に浮かぶ。
思わず天を仰いでしまった。
そして目の前に、モリッシー。
ものすごくドキドキしてしまったわ。

続く曲は「Irish blood English heart」
うわー、これかい。
というのは、自分がイギリス住んでたとき
この曲は当時よくかかってたんだよねぇ。
クリップもよく放送されてたなぁ。MTVとかで。
長いブランクがあって見事復活したときの
リードシングルだったのだけど、
普通にテレビでクリップが放送していたので、同居人と
「はぁモズ、おっさんになったなぁ」なんて
紅茶を啜りながら話したものだ。
次から次から繰り出される曲に
いろいろな思い出が去来する。
自分の人生にモリッシー(the smiths)がいてくれてよかったと思いながら。
(長いので続く)

2012-04-18

Taipei 1

2月の終わりに、台北へ行ってきた。初台湾上陸!
ことの始まりは、正月に職場で
HISだかの破格の旅行広告を見て
同僚と行こう!と盛り上がって、予約完了。

我ながら、決断が早い。お互い蟹座だから?
いつか台北には行きたいと思っていたところだったので
逆に背中を押してくれた同僚に感謝。
それにしても、初めての地というのは本当にドキドキする。
うー、旅行の醍醐味ってこの瞬間だよなぁ。
台北駅の近くのホテルの窓から。
初台北の印象は、ソウルや東京や香港、シンガポールとも違う
首都なのになんだかのんびりとした雰囲気。一瞬で気に入ってしまった。
早速街に繰り出す。
ファミマが「全家」となってるのが、やっぱり気になってしまう。
そしてやっぱり写真を撮ってしまう。
地元で超有名な「胡椒餅」を早速食べる。
アツアツでおいしいー。

 立ち食いなので、目の前の風景はこんな感じ。
異国情緒満載。

自分は初台北なのだけど、同僚は2回目。
しかも、古今東西のあらゆるお茶が大好きということで
早速おすすめのお茶屋さんに行くことに。
ガイドブックにも紹介されている有名なお店。
たくさん試飲できるのが嬉しかったのだけど、
いやはや台湾のお茶は・・・驚くくらいに美味。
なるほど、茶藝にはまってしまう人の気持ちがよくわかる。
グルメではないけれど、自分の好きな味覚が
だいぶ固まってきて、しかもそれを文で現せるようになってきた。
台湾茶で言うと、ふわーっと柔らかで喉越しが甘く、
丸みを帯びた感じがほとんどなのだけど、
少し渋みがひっかかるような感じが自分の好みである。
甘いだけじゃだめというか。
そうやって自分の感覚にフィットする何かを発見するのは
(特に嗅覚と味覚、触覚)この上なく楽しい。
蒋介石(多分)の写真が店内には飾られていた。
お互い、自分のこれだ!というお茶を購入して満足&満腹。
(おなかタプタプ)

そういえば、台北の地下鉄は切符がコイン型。
カジノのチップみたい。これを自動改札にかざす。
カードじゃないからちょっとコツがいるなぁ。
そしてどうしても行きたかった本屋さん
「誠品書店」へ。書店といっても、おしゃれなデパートといった感じ。
本店に行こうと、勇んで行ったけれど、実は本店じゃなかったw
私がどうしても買いたかった台湾の石鹸の阿原石鹸(ユアンソープ)
ここで扱っているということで、早速購入。
ひとつ600円くらいなので、正直激安というわけではないけれど、
東京で買うと、値段はなんと2倍近くする。楽天などでも買えるけど。

試しに「四神」と「白月」というのを購入し、
前者を2か月近く使っているが、結論から言うと
トラブルもなく、肌が一段階白くなり、キメが細かくなった。
オーガニックものは、善し悪しがあるけれど
(ハウシュカ、ロクシタンはどうも合わなかった)
この石鹸は少なくとも、自分には合っていた。
うーん、もっと買ってくればよかったわ。腐るものじゃないし。

夕飯は、お互い疲れていたので
誠品書店のベジタリアンフードコートで済ませた。
臭豆腐も、知らずに食べてしまい普通においしかったと思う。

翌朝はツアーに入っている観光へ。
朝起きたら、まさかのシティハンターw
おぉ、まさか台北で岡村ちゃん聞くとは思わなかったw
シンガポールでタミル語の字幕付きのドラえもん見たことあるけれど
(全く判別不能。youtubeで歌だけ発見
中国語だと、なんとなく理解できちゃうのが不思議だなぁ。

2012-04-03

Ben Shahn:Cross media artist

1月の終わりの話で恐縮だが、年の始まりに、
今年最高の展覧会を見てしまった。
それが、ベン・シャーン「クロスメディア・アーティスト」
これも会社でチケットを貰ったものなのだが、
同僚たちが口々に「ラッキードラゴンは今だからこそ絶対見た方がいい」
とのことで葉山の神奈川県立美術館まで遥々行ってきた。

結局ものすごく忙しくて最終日に来館したのだけど、
日曜美術館や芸術新潮で取り上げられたこともあり大盛況。

福島原発の事故で、否が応でも誰もが放射能のことに詳しくなってしまった。
自分も、連日仕事でマイクロシーベルトや
ミリシーベルトの換算方式を暗唱したり
原子力委員会の資料をひっくり返したり、識者の話を聞きに行ったり・・・
クラフトワークの「放射能」(日本でのライブ)をぼんやり聞くしか
息抜きができなかったわ。(もちろんFu-ku-shi-maと呟いてしまう)

ベン・シャーンと言えば、
第五福竜丸事件の「ラッキードラゴン」の制作で有名。
キュレーターの常套句
「今、この時期だからこそ開催する意義がある」が
この上ない説得力を持つ。
遠方の葉山まで連れてこさせる威力大。
しかも、巡回の最終地点が福島県というのも、縁が強すぎる。
この展覧会、本当に大好評だったようで
「ラッキードラゴン」の出典絵本である「ここが家だ」も
静かに売れ続けているようだ。

展示はものすごく見ごたえがあり、
(もともとじっくり見る性格なのだけど)
結局展示室に3時間以上滞在したかも。
自分の集中力にもびっくりしたけれど、
忘我と言われる状態とは、まさにこういうことなのかもしれない。

圧巻は、数々のポスターの展示の部屋。
フェレンツ・フリッチャイ指揮
ベルリン・フィルのベートーヴェン交響曲第9番。
ジャケ買いしたいくらいだなぁ。
(CD化もされている名盤だれど、このジャケは引き継がれていない)
そういえば、ベン・シャーンのポスターで思い出したけれど
先日、ウディ・アレンの「アニー・ホール」を久しぶりに見返したら
こういうラインがあったのね。

アルビーとアリソンのシーン。
「You, you, you're like New York, Jewish, left-wing, liberal,
intellectual, Central Park West, Brandeis University,
 the socialist summer camps and the,
the father with the Ben Shahn drawings, right,
 and the really, y'know, strike-oriented kind of, red diaper,
 stop me before I make a complete imbecile of myself. 」

キ、君はニューヨーク出身のユダヤ人で、左翼でリベラルで
知的でセントラルパークの西側に住んでいて、
ブランディス大学に通っていて、社会主義者のサマーキャンプに参加して、
君のお父さんはベン・シャーンの絵を飾っているんだろ?そうだろ?
えぇと、君はストライキ好きで「赤」で・・・

と早口で捲し立てるシーンに左翼的な象徴として彼の名前が出てくる。
アリソンの「人となり」を客観的に評論したあと、
アルビーはバツが悪そうに「・・・変なことを言う前に止めてよ」と言う。

するとアリソンは
No, that was wonderful. I love being reduced to a cultural stereotype.
いいのよ、別に。そういう「典型的な文化系」に慣れてるから

と言い放つ。
ウディ・アレン映画は総じて好きではないんだけど、
(なんかひねくれすぎてて・・・)ここのシーンって、好きだなぁ。
もう35年くらい前の映画なのに、
「文化系」」の特徴を20秒で言い当てている。

彼らって論理的で心理学とか芸術に精通しているけれど、
感情面に大きな欠点があるというか、
人の分析は得意だけれど自己分析は苦手。

まぁこれは「イカとクジラ」の監督であるノア・バームバックが
言っていたんだけど、あながちそうかもしれないなぁ。

(そういえばベン・スティラーとリス・エヴァンスが兄弟役という
Wow!な映画Greenberg の監督って彼なんだね。
しかし邦題が『ベン・スティラー 人生は最悪だ!』とは・・・トホホ。
しかもDVDスルーどころかスターチャンネルで放送して終わり?!)

まぁそんなわけで、文化系大集合な展覧会でもありましたわ。
職場でチケットを案の定余分にくれたので、
会場で一人で来ていておしゃれそうな文化系2人に
よかったら使ってくださいとチケットを渡したら感謝された。
まぁそこからの展開は何にもないんですがー。
展覧会を見終わった後は、
絶対レストラン行った方がいいよ、と言われるも
長蛇の列だったのでやめてしまった。

水筒を持ってきていたのでお茶を飲みながら、
久しぶりに海岸へ。


陽が差したときの波の輝きって美しいなぁ。
久しぶりにほっこりしてしまったよ。
フレンチっぽい写真が撮れて嬉しかったなw自画自賛。

久しぶりに図録を購入。装丁も素晴らしいー。
展覧会は現在、岡山を巡回中。その後は福島。
もう1回行きたいなぁ、つーか、行っちゃうか?