2011-02-06

ライヒ&ストラヴィンスキー

 
付き合っていた恋人がクラヲタだった影響で
昨年からクラシックに開眼。

まーわかりやすいな自分、とノリツッコミしてしまうが、
とはいっても、私だって
4歳からヤマハに通い、中学卒業までピアノを弾いてたので、
クラシックの知識は少なからずあった。
(ちなみに私の限界のピアノ曲はショパンの「軍隊ポロネーズ」)
しかし、CDを聞き漁りコンサートに足を運ぶのは本当に昨年から。

昨年の秋、サントリーホールにて
ゲルギエフ指揮・LSOのシベリウスのヴァイオリン協奏曲(諏訪内晶子)と
マーラー1番のチケットを誕生日のプレゼントとして貰った。
諭吉が2枚以上の大変高価なチケットで、目玉が飛び出たけど
このチャンスを無駄にしてはいかんと思い
(マーラーそんなに好きではなかったのだが)
本当に何度も何度も聞き倒した。

その結果、その夜のコンサートは
いつまでも心の中に温かな記憶として残る素晴らしいものになった。
新たな価値観と糸口を見出してくれた恋人に感謝。

そんなわけで、今年のコンサート事始。
日本フィルハーモニーの定期演奏会@サントリーホールが
非常に面白いプログラム・・・。

W.シューマン「アメリカ祝典序曲」
ライヒ「管楽器、弦楽器とキーボードのためのヴァリエーション」
ストラヴィンスキー「春の祭典」


バーバリズム(野蛮の意)がテーマとなっているらしく、
なんたって一度は聞いてみたかった「ハルサイ」
そして異色すぎるのがスティーヴ・ライヒ。
彼ってミニマルテクノじゃん?!それをオケでやっちゃうの?
これは見たい!というわけで、
チケットをヤフオクで、(安い席完売したから)
ライヒをディスクユニオンクラシック館で購入。
当日に備える。

で、聞いてきたわけなのですが、
まず演奏前のプレトークに参加。
年齢高めの客層に今回の聴き所、
特にライヒについてレクチャーしてくださったのだが、
解説の方が一言も「サンプリング」「テクノ」「ループ」
「クラブ」といった単語を使わなかったのが流石でした。
ライヒとかジョン・ケージは一応クラシックの定義なんだよねぇ。

そうしてコンサート開始。
まず1曲目のW・シューマンは予習もしてなかったし、
今となっては何も覚えておりません。

そして問題のライヒ。
グランドピアノ2、オルガン3、フルート3、オーボエ3
トランペット3、トロンボーン1、チューバ1、弦楽5部で
演奏が始まったのですが・・・

すごかったー。人力ミニマルテクノ!
約20分間、この旋律が延々と続き、少しブレイク、
さりげないスルっとした転調(彼の音楽はこれがキモだと思う)、
輪唱、ループ、変拍子・・・
ちょっと自分でも頭振りたくなるようなトランス観を覚えた。
(オルガン奏者は頭を振りながら演奏していた)

リズムがとりにくい複雑な曲の構造の上、起伏のないメロディ。
演奏者泣かせであるのは間違い上、
隣のオッサンも寝てたという、ちょっと報われない曲・・・。
今後演奏されることが限りなくなさそうな感じではあったけど、
むしろ貴重なものを拝聴できた喜びが大きい。

そして念願の、なるほどザ「春の祭典」
前衛過ぎるダンスと曲で初演はブーイングの嵐という
ある意味伝説の曲。
その様子は映画「シャネル&ストラヴィンスキー」に詳しい。


ちなみにシャネルとストラヴィンスキーに
このような関係があったかは定かではないけど、
この映画自体は一連の「シャネルもの」
(オドレィ・トトゥ、シャーリー・マクレーンの)
の中では一番よくできた作品だと思う。
なんたって実際のシャネルのミューズを勤めている
アナ・ムグラリスの着こなしっぷりが説得力ありすぎ。
ゴージャスな映画ですよ。

で、初めて生で聞いたハルサイですが・・・

のどかなファゴットの旋律から始まり
(ありえない音域なので最初から異質)
混沌とした管楽器の音色、そしてその後の
ハードロックのような激情ヴァイオリン。
(Metallicaの「Enter sandman」にちょい似てる?)
スリリングな展開、不協和音、
そして何といってもポリリズムが炸裂する最後!

何度もCDで聞いていたけれど、
演奏会映えする曲だなぁとつくづく思った。
今回がデビューとなる指揮を務めたシズオ・Z・クワハラさん、
個人的にはちょっと散らかり具合が気になったけれど、
(CD聞いていると、それが正しいと思ってしまう。
それはしょうがないんだけどね)
最後はブラボーも飛び交っていました。

ハルサイは、もともとバレエ作品なのだけど、
その踊りも、未だに前衛的というか、
ちょっとイッちゃってる森ガール(婆さん含む)が
 
 
 
 

膝カックンしながら反復横跳びする・・・
こりゃ暴動起きるわな。

でもちょっとこれ見てみたいと思っている自分もいます。
バレエの内容も、私の好きな「ウィッカーマン」ぽいのよね。
(フォークロアの生贄の話だし)

暦の上でも、春になり
どことなく寒さも和らぎ、陽も幾分長くなったような。
早く春物着たいなー。

0 comments:

Post a Comment