2014-12-31

2014年 有馬記念観戦記 その1

全然ブログも書いていないうちに
2014年も残り1日になってしまいました。
1日がとても忙しい上に、いろいろと考えることもあり
習慣でメモ等は日々取っているのですが
なかなか文章にまとめる時間や能力もなく・・・。

Bloggerでブログを書き始めて約4年近くなり
なぜだか今年はカウンターが大幅に増え
(パリのシティファルマで検索が多いようです)
なんだかこんな他愛のないブログを読んでくださって
申し訳ないような気持ちもしないでもないのですが、
ちょっと嬉しかったりもします。

まぁそんなことはさておき
一昨日、私は中山くんだりまで行き(遠いよ!)
念願の「有馬記念」を生観戦してきました!
実は初めての中山競馬場!
 
あまり大きな声では言えませんが
私は競馬好きなもので。
「みどりのマキバオー」も愛読してたしね!
ぬぉー、まっけないのね!

そもそも93年ごろより家族の影響で興味を持ち
本格的に買った98年桜花賞のロンドンブリッジで大当たり。
思えばあれが悪魔の仕業だったわ・・・。
そこから細々と今日まで至るわけです。
ほとんど重賞しかやりませんが・・・。

まぁでもやっぱり女たる者、
競馬やってます、というのは心証がよくないので
歴代の恋人(みんな競馬興味なし)には勿論、
女友達にも面と向かって競馬の話はしたことはありません。
船橋のIKEAへ行ったときに、
船橋競馬場からの匂いを
「くせぇなぁ」といった元彼を心の中で殺してましたし!

今でこそ、女子競馬、なんていう言葉もあるようですがね。
だから今日のこのブログもできるだけ
「ゆるふわ」な感じで書こうと思います☆ミャハ

そんな私ではありますが
競馬好きの男友達や元職場の上司などと
思いっきり話すのは、本当に楽しいし勉強になります。
みんなの予想や賭け方で性格や思考って表れるし
馬に託す情熱が強い人、私は嫌いではありません!

とは言っても、実はわたくし
ギャンブルというよりも、馬そのものに興味がありまして。
なので、競馬場やWINS(馬券場)よりも
寧ろ北海道の牧場やトレセンに行きたいなぁと思っていまして。

念願叶って昨年の秋の話で恐縮なのですが
栗東のトレセンへ行くチャンスに恵まれました。

深夜バスで、仕事終わりに東京から滋賀の草津へ。
朝5時前に草津から栗東までタクシーぶっ飛ばしたわ!
疲れたけどいい思い出!ちなみに初滋賀!


6時からトレーニング開始。
追い切りの様子を見て、本当に感動してしまって!
 
 
坂路のコースも震えたわ!
 
トレーニング後のヴィルシーナ号に遭遇したり!
(しかも後ろに南井克己元騎手の厩舎が!!!
※重賞を取った競走馬は色つきのゼッケンを着用)

 
 トレーニング用のプールも見学したり!

馬運車にも特別に乗せてもらったり!
(ばうんばうんに揺れたよ!)

その後、岩田騎手や浜中騎手にもお会いできたりしたのですが、
 
一番、衝撃を受けたのが
ゲートに入るトレーニング。
練習用のゲートに入って何度も繰り返し。
これがクリアできないと出走ができないわけで・・・。

何度も出入りしている緑のゼッケンを付けている子
(年齢2歳9月未満)を上から眺めた時、
心の中で頑張れと叫んだ後に
「ちゃんと真剣に競馬をやろう」と思ったもんね!(え?)

一頭の競走馬が育つのに
本当に多くの人が携わっていたのを
間近で感じたのも大きかったなぁ。
(↓泣けるCM)


栗東から帰ってきて、
2013年の有馬記念は職場で観戦し、
まぁほとんどの人と世間がオルフェーヴルおしおしだったので
非常に堅いレースで、みんな何だかんだで的中し(私も勿論!)
広告部で大きなポスターを作ったので頂きました。
(大きすぎ!)

裏は3着のゴールドシップ!

 で、今年2014年の有馬記念は、
当たったらいいなぁというくらいの気持ちで
ゴンドラ観戦のハガキを出したら見事当選しまして!
(※有馬記念は毎年10万人以上の来場がある!)
7号室23、って刑務所みたいだなー・・・。


 本当はその日、
浅草の東洋館で年末寄席を見たかったのですが
(豪華なメンバーを、あの空間で拝見できるとは!)

有馬記念を見る機会は1年後で
もしかしたらその間に死んでしまうかもしれないので(!)
泣く泣く後ろ髪をひかれる思いで中山競馬場へ。

(長いので続く)

2014-11-05

10/14 Gergiev at SUNTORY HALL 2nd MVMT

マリインスキーのサントリーホール1日目の
・ブラームス「ピアノ協奏曲 第2番」(ピアノ:ネルソン・フレイレ) 
(映像はバーンスタイン指揮のウィーン・フィル(1985年)
ピアノ:クリスティアン・ツィマーマン)

古典物が苦手なので、ベートーベンの後継者である
ブラームスは正直どうも食指が動かなかった。

ブラームスの楽曲。
それはどれも宝石のように美しく、
純粋無垢で(ワルツ39-15とかまさにそう)
どの角度から聞いても眩しく輝いている。
その「素直さ・聡明さ」が私にとっては
なぜかあまり「面白くなく」ピンと来ないでいた。
海が凪いているよりも暴風雨と雷鳴を好んでしまうもので・・・。

故に
ブラームスを自ら聞きに行こうというのが
本当に今までなかった。

なので、比較的有名なこのピアコン2を聞き続けていると、
第1楽章の牧歌的な繰り返しと転調(ホルンの響きよ!)
第2楽章の感情ほとばしるスケルツォ、
第3楽章のピアコンなのにチェロの独奏ばっかり!
第4楽章の緩急と優美さ
と気づくことが本当にたくさんあり
集約すると、テクニックが複雑でなんと情熱的なことか!
と胸がグラグラするほど当惑させられた。

しかしながらこの夜のフレイレ氏の演奏は
半ば私を失望させた。
角がない球体のような暖かみのあるピアノの響き。
初めて拝見拝聴し、
優しく上品で高貴な超一級のプレイだったのだが、
炎の如く、ほとばしる情熱は感じられなかった。

単にゲルギエフとの相性が悪いことに尽きるのかもしれないのだが、
オケは多少もたつき、誠に不十分なピアコンだった。
第3楽章のチェロの独奏はよかったのだがね。
(マイリンスキーの首席チェロのお方)

アンコールはグルッグの「精霊の踊り」
これは逆に情感こもっていてよかったなぁ。独奏だからね。

休憩を挟んで、お目当てである
ショスタコーヴィッチの第8番。

(ムラヴィンスキー指揮 レニングラードフィル)
ショスタコーヴィッチの良交響曲は奇数、と定説にあるが、
(5,7,11,13)
あの7番「レニングラード」の次曲である8番もなかなか良い。
スターリン政権下での「クラシックで戦争を表現する」という
使命感(基いプロパガンダ)で音楽を作り上げたショスタコ。

第1楽章冒頭から、鉛のように重く漆黒の海の世界を
延々と漕ぎ出でる単調な調べ。
第2楽章で、ふと奇行じみたフルートの旋律が聞こえると
形勢逆転の兆し。

そして私の大好きな第3楽章の一心不乱なストリングス。
もうこれはテクノミュージック!
途中の小太鼓と、ハイスピードで蛇行運転してそうなトランペット。
ここよーく聞くと、裏打ちのリズムなんだよね。スカっぽくて!
(真面目にクラシック聞いている人からしたら怒られそうですが)
もうここの楽章、前のめりで聞いてしまいました。

ずーっと上述のムラヴィンスキー盤を聞いたり
映像を見ていたので、
このストリングスのボウイングが、同じ角度でビシーーっと動くさまも
どうしても見たくて見たくて・・・。

なので、この第3楽章は目にも耳にも幸せな8分間だった。
8台のコントラバスは艦隊さながら、ブラス群との応酬、
すり鉢場のサントリーホールの響きの良さは日本一なので
位相もばっちりで大迫力。
そしてゲルギエフは、爪楊枝のような指揮棒(もしくは焼き鳥の串)で
オーケストラを統制していく。
この夜は爪楊枝だった。

圧巻だったのが第5楽章の最後。

浮遊して、ゆっくりと音が回転しながら、
ピアニッシモ(PPP)で「死に絶えるように」と書き残した
マーラー9番の第四楽章、さながらだった。

マーラー9番は、心の機微を掬い上げるような繊細さであるが、
ショスタコ8番は、あの派手な音からの「落ち着きっぷり」である。
この動から静への移行、そして何と言っても
ゲルギエフのこの細やかさが白眉ものだった。
いつもは派手で粗野なタクトっぷりなんですがね・・・。

観客も、ゲルギエフが「爪楊枝」を
ゆっくりと下へ降ろしたのを見届けてからの拍手とブラボーの嵐。
本当に今夜は観客の質が高かった!
(フライングブラボーする人がいなかった)

そしてアンコール。
!!!
ワーグナーの「ローエングリン」!!!

実はこの「ローエングリン」
2年前にゲルギエフ指揮のNHK音楽祭へ行ったとき
(確かこの演奏会はロンドンから帰国した直後だった
そういえば故マゼールも見たんだっけ。いろいろ私も体験してたんだなぁ)
やはりアンコールで初めて聞き、
天上の音楽とも言うべき美しさのあまり、死にたくなった。
長旅から帰ってきたばっかりというのもあったので、
感受性がいつになく研ぎ澄まされていたと思う。

ストリングスの清らかな
「虹色の雲に反射する紺碧の波」に漂いながら
2年前のことを思い出し、いやそれよりも昔のことを思い出し、
ぷかぷかと浮いたり沈んだり、生活っていうのは・・・
なんて悲劇ぶって、あぁでもこの美しさは例えようもなく
また明日からも頑張ろうなんて、酷く陳腐なことを考えていた。

アンコールが終わって、ブラボーの嵐嵐嵐。
時計を見ると、もう22時近く。
この時間に終わるのは珍しすぎる!
確かに3時間近く、全神経を音に手向けていたのだが
至福の夜、だったとしか言いようがない。

勘違いでチケットを買ってしまったのが福となった。
何よりもそれが嬉しかった。
そして本命は明日!その事実がまた更に嬉しかった。

10/14 Gergiev at SUNTORY HALL 1st MVMT

久しぶりにクラシックの演奏会に行ってきた。
10月14日にサントリーホールで行われた
ゲルギエフ指揮のマリインスキー歌劇場管弦楽団!

ブログには書いていないけれど、
(そのうち、したためられたらいいなぁ)
最近は内なる反動で
漫才ばかり聞きに行っている有り様。

葉桜の頃、近所の小屋に出ていた
「三四郎」を自転車を漕いで見に行ったら、
その青春パンクのような懐かしさに大変衝撃を受け
ずぶずぶとはまってしまった!
勢いでAmazonレビューも書いてしまった!
(今見たら票が入っていて驚いた!)

対バンならぬ「対漫才」でよく拝見していた
同じマセキ芸能社の「浜口浜村」は
まるで安部公房と内田百閒先生、寺山修司、
丸谷才一を混ぜたようなアングラ観漂う文系漫才。
(「風街ろまん」も少し入ってるんです?)


ずっと漫才を聞いていたら
あ、これはPGウッドハウスやダグラス・アダムス、
ジェローム・K・ジェロームのような行間とでも言うのかしら?
あと陳腐な物言いだけど少しモンティ・パイソンのスケッチの
影響を受けてるんだろうなぁ、とワクワクした。
(勝手に自分がそう思っただけなんだがね)

もっともっと言うと、
名著「トリストラム・シャンディ」の世界観を垣間見た。
「初心」というネタを初めて聞いたときは、ドキッとしたわ!
そうそう作者のローレンス・スターンを
日本に紹介したのは「三四郎」を書いた夏目漱石!
おぉ、何たる偶然!(こじつけじゃないよ!)
とまぁすっかり浜口浜村に感銘を受けてしまいまして。

そうそう恐れずに言うと
彼らって、イギリスっぽいんだよ!
ナンセンスで無軌道で、残酷で、脱線して、皮肉っぽくて
最高に笑えるご褒美が最後に残されていて。
そしてその最後に辿り着く迄がものすごく長い!
(もっと言うと、アメリカのように万人が笑わない!それがイギリス!)

「銀河ヒッチハイクガイド」から引用するならば
「Don't Panic!結局、タオルが一番大事!」
(浜浜が言いそうなセリフでしょう?)

悲しいかな、そういう論評をとんと見ないのだが。
まー私の漫才の見方も相当「?」なのかもしれないがね。
そこから派生して別の漫才を聞きに行ったりしていたら
すっかりカレンダーも残り1枚になってしまった。

元来、欲張り体質で一つの所に留まれない、
更にどうやら「飽きっぽい」性分の上に
自分でも驚くくらい突発的に「真逆に振り切る」傾向有り。

自分自身を俯瞰で見下ろしていると
これを好奇心旺盛と見るのが相応しいと思う。
新宿Fuからサントリーホールの振り幅。
そう、これこそが自分である。
この幅の広さで何度救われたのだろうか。

というわけで、
ここからが本題なのだが、
毎年のように来日しているゲルギエフが
なんとストラヴィンスキーの初期バレエである
「火の鳥」「ペトルーシュカ」(木人形!)
「春の祭典」を一気に演奏!


うわあああ、豪華!そりゃあ行くだろうが!
しかもマリインスキー!
ロシアものをロシアの楽団でロシアを代表する指揮者が振る・・・

だいぶ指揮者でクラシックを聴きこなせるようになってきた私ではあるが、
ゲルギエフにも不得手があり、ドイツもの・・・特にマーラーなどは
どうも噛み合わないよなぁと思うのだが。

イントロが「結婚行進曲」と間違えそうになる
出落ち感満載のマーラー5番!

初ゲルギエフがマーラー1番「巨人」で、当時は
そのダイナミックさに大感動したのだが
時を経て、ううん?と邪推。

まぁこれは好みの問題でもあるのだけど。
作曲者の故郷の楽団や指揮者で聞くのは
ひとつの選択肢としては有効なのかなぁなんて思ったわけですが。

ゲルギエフのプロコとか爆発してて、やっぱりいいもんなぁ。
ソフトバンクの予想GUY(なつい)
イングランド・プレミアリーグの
Sunderland AFCはこの曲で入場します。士気あがるね!

で、そんなわけで勇気を出して初夏の折に
S席のチケットを買おうとしたのだが、
何を間違えたのか、前日のチケットを買ってしまっていて!

演目は
・ブラームス「ピアノ協奏曲 第2番」(ピアノ:ネルソン・フレイレ)
・ショスタコーヴィッチ「交響曲 第8番」


慌てて次の日を買いなおしたのだが、
まさかまさかの2日間連続で
サントリーホールに通う羽目に!
2日間で4万円近くの演奏会だよ!

三四郎や浜口浜村だったら30回は見れるのに!
社食何日分だよ!

愚痴っているのも何なので、
ショスタコ8はさておき、
ブラームスのピアコン2はもう親の仇ってくらいに必死に聞き倒した。
会社の行き帰りは、3ヶ月くらいこの曲ばっか聞いていたし、
スコアもガンガン眺めて、いざサントリーホールへ。

つづく

2014-09-28

Frances Ha

今年は、なぜか劇場で見たいと思う新作映画が極端に少ないような。

良かったのは、バウス閉館の「ウィズネイルと僕」と
ユーロのベルイマン特集の「冬の光」だけ。

もう映画も音楽も文学もクラシック回顧上等主義でいいじゃないか、
とさえ思うこの頃。

なので、映画に関するブログもあまり書いていないのだけど
先週末、オシャレ映画の「フランシス・ハ」を鑑賞してきたので、
その感想をば。


オシャレ映画という言い方も皮肉がありますが、
うーん、この手の女の子二人映画は
過去散々見尽くしてきた。
ロシュフォールひなぎくゴーストワールド云々)

なので、どうしてもそれらの素晴らしい作品達と比べてしまう。
ゆえに、ちいと俯瞰で見てしまったわい。

話の内容は散々いろいろな所で書かれているので割愛するが
何をやっても空回りの主人公のもがきっぷり、に笑えるか否かが肝。
こういうダメな妙齢女子の話ってイタイ、一周まわって
自分もその要素あるかも(過去あったかも!)
嗚呼、猛省、反面教師、自戒と
エヴァンゲリオンよろしく漢字が(明朝体で)頭を駆け巡る。

自分は女子高だったせいか
「自分はみんなとは違う!」という空気があるのは前提だったし、
そのくせ烏合の衆で、そのくせ他人の批判には厳しくて、
共感しないと変人扱いされるわ、魔女裁判はあちこち行われてるわ、
大手小町でフルボッコは当たり前に横行してるわ。
「みんな違ってみんないい」わけない世界。
とどのつまり自分を賞賛してほしい、理解してほしい・・・
結論から言って、あぁ女ってめんどくさい!
マシンガンズじゃないけどマックスめんどくさい!

なもんで、この映画で描かれている女同士の友情も
何というか「めんどくさいなー」という関係の上に
成り立っているのではないかと思えてしょうがなかった。

登場する人全員が、
どこか脆くて満たされない雰囲気を背負っているのは
2010年代の空気だから、ということでいいんだろうか?
特にグレムリンの脚本書いてる男性が痛いと思ったぞ。

にしても、話に集中したいのに
背景にどうしてもどうしてもトリュフォーが浮かんじゃう!
どっかで聞いたサントラと思ったら
実際のトリュフォー映画でバンバン使用されてたのね。

どことなく「Jules et Jim(突然炎のごとく)」ぽいスチール。

そしてデヴィッド・ボウイで疾走するのは、
やっぱりカラックスの「汚れた血」を思い出しちゃう!

そうそう昨年暮れだったか早稲田松竹でアレックス3部作が
35ミリでかかるというので!
喜び勇んで見に行ったのだが
一昨年パリ行って以来、頭の隅に残っていた

 
「汚れた血」の最後のジュリエット・ビノシュが
滑走路を走るところ、なぜかフィルムが撓んでいたのか、すんごい勢いで
カクカク走ってたので、一人で大爆笑してしまったわ。

(と思ったら、そういうエフェクトかかってたのか・・・。
youtubeに全編あったので見てみたらやっぱりカクカク!→ココ

とまぁ話は逸れたけれど
これはリチャード・アイオアディの「サブマリン」もそうだったんだけど、
「フランシス・ハ」も
米国経由の「フレンチムービー」になっていて
(しかもヌーヴェル・ヴァーグの!)
それ故オシャレ度3割増しという雰囲気になっていました。

そうそうオシャレと言えば
劇中、ソフィーが着ていたカーディガン、これどこのブランドかな?

当方カーディガン好きなもので
気になってパンフを見てみたのだけど、
私の知りたいことは全く載っていなかった・・・。
 
いろいろネットサーフィンをして出た結論。
やっぱり最先端オシャレwのメゾン・キツネだろうな!
オシャレ映画にはオシャレワードローブを!
と思ったらキツネの向きが微妙に違う!

そうなると
アメリカのイトーヨーカドーこと
JC Penneyのヴィンテージかな???

これはこれでオシャレ!
カート・コヴァーンも着ていたっけな。
実は自分も昔ebayで100円くらいで買ったわ!
まだタンスにあるので、久々登板させてみようかなと思った秋の夜長。

2014-08-17

PULP A Film About Life,Death & Supermarkets 2

というわけで、
この「PULP A Film About Life,Death & Supermarkets」ですが
(予告編第2弾)
内容は

2012年に地元シェフィールドで行われた
再々結成ライブを軸にして
いかにPULPが「シェフィールドの星」であるのか、
というのを実在する地元民
(Common People)のインタビューも交えた
ドキュメンタリー映画、という感じ。

ちょっと前に制作されたローゼズのものと、ちと酷似。

でも明らかに違うのが
「おらが町『シェフィールド』」の人に
本当に愛されているんだ、という特別感。
いかにPULPが人の心を打つのか、というのを
みんな熱心に語ってくれる。
これは紛れもなく「シェフィールドからのラブレター」だ。

それにしても
老若男女限らず、PULPの認知度があるのは単純にすごい。

余談だが現地では「パルプ」というよりも
「ポゥプ」という発音に近いね。
もっと厳密に言うとパとポの中間の音、難しい。

全盛期の1995年のリアルタイムで知らない世代が
後追いで知って(きっと親の影響!)
今も聞き継がれているのは、私も胸熱。
わざわざシェフィールドのライブを、
アメリカから見に来た女の子とか
なんか昔の自分を見ているようで、泣けたわ。

PULPと言えば兎にも角にも
やっぱり「Common People」
(Stone Rosesの代打で登場した伝説の95年グラストンベリー、
これが本当に素晴らしい。
このステージに立つまで15年かかったので、
あなたたちも希望を捨てずに頑張りなさいというMC!)


あの詞の内容は、
英国人であるならば永遠に避けられない「階級」について、
おかしく、皮肉っぽく、そして精巧に描写したところが(実話だし)
ものすごく賞賛された。アルバムも「Different Class」だしねぇ。

私もイギリスに住んで、やはり階級の違いを目の当たりにして
(愛読している新聞から、愛用しているスーパーまで細かかったな)
おぉおぉ、これがPULPのアレか!なんて、のほほんとしてましたし。

一躍、普通の小市民的な生活送ってる
32歳の遅咲きロックスターということで
祭り上げられた当のジャーヴィス自身は、
言わずもがな成功からくるプレッシャーに押しつぶされる。

ヤク中になり、そこから
「This is Hardcore」が産まれるわけだが、
その顛末は10年前に制作されたBritpop回顧映画
「Live Forever」でも語っていましたな。


私自身、ジャーヴィスはモリッシー、イアン・カーティスと並んで
偉大な英国詩人だと思っているんだけど
(トップ3!)
実は一番売れた「共闘もの」は個人的に苦手。
(「Common People」「Mis-Shapes」とか)

男性が感じる恋愛の情けなさや切なさ、女々しさを
ウィットで包んでいる詞がとにかく好きで好きで・・・。

セックスのことと絡めてある詞は本当にリアルというか、
やっぱりOasisの「wonderwall」の詞とか
絵空事で嘘っぽいなぁとか思ってたからw

「初めてヤッたときのことを覚えてる?
最悪で思い出すことができないな
でもあの時より変わって、僕たちは成長しただろう?
君が今何しようと気にしないし、まして他の男とヤッててもね
でもあの時のこと 僕に欠片でもいいから残しておいてほしいんだ」

心が射抜かれて今も胸の風穴が塞がらない
「Do you remember the first time?」
(このPVにMenswearのジョニーとクリスが出てるんだよね!
screw(ヤル)という単語が強いので knewに変更されています)
 
最近、猫目女子のソフィー・エリス・ベクスターが
カバーしてるのを聞いたんだけど、女性の立場からこの歌うと
また違う印象があるなぁ。新発見。せつなさ倍増。



 
「(幼馴染で好きだった女の子デボラに)
君の家はすごい小さくて 壁はウッドチップ
僕が君の家の周りをうろついても 全然君は気づかない
あぁ小さなことまで覚えているよ デボラ また電話してよ
じゃあ2000年になったら また再会しようよ 
そんなに僕たち変わってないと思うし
2時に街にある、あの噴水のところで会おうよ
君が結婚していたなんて知らなかった!
僕は一人で孤独で湿っぽく暮らしてるよ
そうそう日曜日は何してるの?君の赤ちゃんを連れておいでよ」

という女々しさ爆発、あわよくば虎視眈々
しかし一歩間違えれば、ストーカーぽい
「Disco2000」

St Martin Collegeの映像科に通っていたジャーヴィスだけあって
絵コンテが浮かぶような歌詞の世界も大好きだった。

クローゼットに隠れる描写がある「Babies」は
どうしてもデヴィッド・リンチの
「ブルー・ヴェルヴェット」を思い出させるし
定点カメラを置いて、インモラルな行為を覗き見しているような
「Sheffield: Sex City」は(ジャーヴィスの吐息が色っぽいんだけど、
この曲、空耳で採用されたんだよなぁw)
ゴダールの「彼女について私が知っている二、三の事柄」っぽい。

その詞の世界観を、
故郷シェフィールドの映像と共に収めてあるのがとても良い。

ジャーヴィスの妹や母親も登場していたり、
その昔に雑誌で読んだっきり忘れていた情報・・・
「ジャーヴィスが魚市場で働いていた」ことも語られていたり。
(どうしても魚の匂いが指から取れなくて、
10分間も両手を消毒液につけていた等)

タイヤ交換している普通のジャーヴィスが、ものすごく愛おしいぞ!
ちなみに着ている服は、全部APC!
(しかもジャーヴィスのためだけに作ったやつ!)

勿論、バンドの裏話など
(ヴァイオリンのラッセルが参加してないのが残念)
非常に懐かしい思いが胸に去来して、じーんと来ましたわ。

字幕がないので、一生懸命何回もセリフを聞いて
メモ書きしたのも、また学生時代のこと、思い出したよ。

そうやって、一筋縄ではいかず、
紆余曲折、山越え、谷越え、海越え、国境越えして
初めて会得できる、理解できるPULP。

世の中のことが簡単にわかってしまうのはつまらない、と
常々思っている天邪鬼な自分には、
これぞドSのハードコアなDVDという感じで
(This is Hardcoreね)今年一番の素晴らしい映画であった。


鑑賞後、ふと胸に浮かんだ言葉は
「心にいつもジャーヴィスを!」これに尽きる。
そんな映画です。(どんなだ?)
天邪鬼だから、教えませんw

2014-08-10

PULP A Film About Life,Death & Supermarkets 1

夏の初めの訃報。
お世話になった先輩が突然旅立たれてしまった。
もっと盃を交わせるかと思っていたのに。
夏の高校野球の話もしたかったなぁ。
なので先日、献杯してきた。

年々、このような知らせを聞くたびに、
いつとは言えない遠い日が、
自分の身にどんどん近づいているような心地がする。
自分の父が57歳で鬼籍に入ったのもあるのだが、
恐らく自分のゴールもあと20年なのかなぁとふと思ったりする。

20年前というと1994年。
つい、こないだではないか。

当時発売されたレコードで言うと
Oasis「Definitely Maybe」、Blur「Parklife」
Portishead 「Dummy」、Weezer 「Blue Album」
Beck「Mellow Gold」、Manic Street Preachers「Holy Bible」
Greenday「Dookie」、Jeff Buckley「Grace」・・・

そしてPULP「His 'n' Hers」!!!

日本盤だと「彼のモノ・彼女のモノ」というタイトルだったかな・・・。

PULPは、ヴォーカルのJarvis Cockerは
自分の人生のターニングポイントのひとつである。
いや、本当に大げさではなく。

Windows95も生まれていない頃。
頼りの映像はBeat UKでしか流れない。
しかも30秒!
たまにライブコーナーで2分くらい流れてたのを
本当に何度も何度もビデオテープが擦り切れるほど見たっけ・・・。

これだよー・・・。「Lip Gloss」!
また見れるなんて・・・・。
ブレイク前夜の94年。
ジャーヴィス、本当にかっこいいなぁ・・・。
当時もっとPULP流してほしいと
上原徹(BeatUKのプロデューサー)に
エアメール書こうと思ったくらいだったしなぁw

ロッキンオンに「狂ったSuede」と書かれてたのにウンザリし
日本の音楽雑誌なんて読む価値ないと悟って
新宿丸井地下にあったヴァージン・メガストアで
NMEやMMを買い漁って、一生懸命英訳していた。

日本盤のCDを買う意味もなかったので
(ジャーヴィスは日本盤なんて所有していないし聞いていない、
という全うな理由
わざわざ「おそろいの」UK盤を購入していたのだけど、
PULPの歌詞カードには必ず
「注意:聞くときは歌詞カードを見ないでください」
という注意書きがあって、それはそれは忠実に守っていたわけで・・・。
新手の宗教か、これは。

おかげで英語力つきました。ジャーヴィス、ありがとう。
そんなあの頃の極東の女子高生だった自分。

1995年の「Common People」で一気にブレイクスルーして
アルバムの「Different Class」を通して英国の階級事情を学び
益々PULP、イギリスへの思いが募っていった。
初来日の1996年2月は、大学受験真っ最中だったので涙を飲んだ。

なので
大学生になって、真っ先にやりたいことが
英国でPULPを見るという、まぁしょうもないもので
朝6時からプロントでバイトしてお金を貯めて、行ったさ、V96へ!
(V festivalの1回目)

ものすごいセンスの良い当時のチケット!
当時£25って!

他のバンドは、Supergrass,Cast,Stereolab,Gary Newman,
Longpigsだった。あ、Jonathan Richmanもいた。
あと調べたらMike Flowers Popもいたわ!懐かしすぎる。


豪華なパンフレット!!!
キャー!!!
 
 
マーチャンダイズでバッグ買ったり!
(このフォントが好きすぎる。
長らく登板させていないので陽の光を当ててあげようか)
マグカップ買ったり!
 
なんで今更PULP?なのか?
それは、突如として入ってきたニュース
「PULPの映画」がDVD化されたから!!!
 
 
一度だけ地元シェフィールドで再結成した2012年の
ライブのドキュメントフィルム。
これ何気に行きたかったんだけど、チケット瞬時に売り切れ。
 
しかもこの映画化のニュースを知ったのが
SXSWでプレミア上映されるというものだった。
しかもPitchforkかなんかのサイト。
 
PULPはここにきて、なぜだか米国での人気が高くて
一昨日もNYでPULPカラオケコンテストなるものが開かれていたし
(審査員ジャーヴィスw)
当時は全然ダメだったと思うんだけど、わからないものですな。
 
まぁその映画ですが、
先月、イギリスで目出度く発売されたので、
久しぶりにAmazon UKでポチらせてもらった次第。
買うだろ、そりゃ。
 
はるばるユーラシア大陸を渡って我が家に到着。

中を開けると、サインが入ってた!
「You are alright」
うんうん、あの頃の自分に「間違ってなかった」って言いたいよ。
本当に間違っていなかったし。
20年かかってラブレターが届いたような不思議な感じだわ・・・。

 
(つづく)

2014-08-05

馬籠宿

妻旅籠から一気に馬籠宿へ。
いつのまにか、長野から岐阜へ県越えしていた。
初・岐阜!
しかも中津川市。
この市と言えば、フォークジャンボリー・・・。
でも10年前の市町村合併までは長野県木曽郡だったんだよなぁ。

そういえば内陸県を全部制覇もしていたことに後から気づく。


中山道の宿場町である馬籠宿
前述のように、島崎藤村の故郷である。
なので、藤村の生家もそのまま資料館として残っている。


 



疲労が溜まって入館せず・・・w
(「夜明け前」の生原稿があったそうな)

何度も書いているが、睡眠不足と
6月1日なのに初夏とは思えないほどの酷暑。
自販機のコーラが、五臓六腑に染み渡った・・・。

それにしてもこの馬籠宿。
山を切り開いて宿場町にしているのだろうか、
ものすごいアップダウンが激しくて、もうそれだけで体力消耗。

しかし・・・
町が見渡せる高札場に行ってみると・・・

 
 
眼下に拡がる木曾の山々が。
遠くに見えるのは恵那山。
鳥の背中に跨って、飛んでいきたい気分にかられる。
 

 
 ちょっと動画を作ってみた。
音楽は、ドラクエⅢの「おおぞらをとぶ」
(いい曲だよね・・・敢えて8ビットで!)
 
 
「夜明け前」からの抜粋。
目の前に拡がる風景を見ながら黙読すると感慨深い。
 
夕暮れや真冬にもう一度見てみたい。

 
ところでこの馬籠宿。
通常は中津川駅方面から訪問する観光客が多いとのこと。

中津川→馬籠宿、その後妻籠宿へ移動、というルート。

当方、全くの逆ルートで来たわけだけど、
これは後々考えたら、正解かもしれない・・・。
というのは、ありえないくらいの坂道だったから。




中津川→馬籠宿のルートで来ると、本当にきつすぎる上り坂。
こちとら下り坂だったけれど、それでもきつかったもの。
なんせ日影もないし・・・。
 
ここでいつかSony BraviaのCMを撮ってほしいなぁ。


南木曽の妻旅籠の風情の方が個人的に好みだけど
馬籠宿も情緒のある街並みが連なっていた。
 
 
 
坂道を下って、中津川駅行きのバスを待つ。
 
 
自分がどこにいるのかが全く分からない・・・。
しかもこれから名古屋へ行くというのに、表示がない・・・。
 
バスに揺られて、中津川到着。
 

さてこれから大好きな名古屋へ!

2014-07-15

南木曽 3


南木曽に来た目的は猿追いの柴犬を探すこと。
どこにいるの?その柴犬は?

事前に観光案内所にメールをしたところ、
民宿「つたむらや」を経営されている方が飼っているとのこと。
メールには、経営者の方の電話番号が書いてあり
「直接、交渉してみてください」とのこと、だった。
民宿「つたむらや」はこの山の向こうの「大妻籠」にある。

 
妻旅籠の目抜き通りを抜けて

 
袋小路を入って
 
だしぬけに現れた
何とも趣のある眼鏡橋。


崩落の危険があるので、通行禁止だった。
なので隣にある新しい橋を渡る。
 
 
橋越しに見える風景。

 
 


丘を越えて、小道をかき分けて・・・
道なき道をゆく。
脱水症状寸前!


 
歩くこと20分。
実はここから15キロ歩いて山を越えると
もうひとつの宿場町「馬籠」に行くことができる。
島崎藤村の「夜明け前」の舞台がここ!
 
山越え且つ県境越え。
馬籠は、岐阜県の中津川市。
なので、ここは長野と岐阜の県境。
 
当初、3時間徒歩続行で行くつもりだったのだが、
なんせ睡眠不足とこの暑さで、本当にぶっ倒れそうだった。
眠すぎて何も食べる気がおきない。。。
あぁこうやって黄泉の国に行くわけなのね・・・。
眠眠打破飲んだら(あげく生温い)余計気分悪くなったし。
 
頭もガンガン痛いし、本当に行き倒れになりそうなほどだった。
案の定、ヒートテック着てたしなぁ。狂気の沙汰だ。
しかし、ここでぶっ倒れても、発見されなそうなくらい誰もいなかった。
気力で自分を鼓舞して歩き続ける。 
 
なんとか川を渡って
 
食事処を通って
 
 水車を横切って
 
大妻籠にある「つたむらや」さんに到着した。

 
ちょうど作業をしていたお兄さんに、柴犬のことを聞いてみた。
案の定、驚かれたが、
そのお兄さん(息子さん)のお父様が畑で飼っている柴犬が
件の、とのこと。
 
アポなしで来たのに(観光案内所で電話番号などを教えてくれたが
結局連絡をしなかった)何と畑まで連れてって下さるという。
しかも冷たいお茶まで出していただいた。
ライフポイント回復したー!
 
この「つたむらや」さんから歩くこと更に10分。
山の上に畑がある。
 

 
これです、これ。
この「忠犬」が柴犬なのよ!
 
そうして畑に着くと 
 きゃーいた!!!
そうそう、この子!!!
 
やはり警戒心が強くて、吠えられちゃったけれど
しばらくコミュニケーションしたら、きちんと私のことを理解してくれた。
さすが、柴犬は賢いな。
 
最初は尾っぽを下に巻いて、ゆらゆら振っていたけれど、
最終的には上げて振ってくれた!!
頭も撫ぜさせてくれた!!!


リラックスの表情がかわいい!!!


この子は、まだ見習いの子犬。かわいいー、やっぱり柴犬は世界一。

わざわざ案内してくださった「つたむらや」の息子さんの
心意気に感謝し、感激していると
疲労困憊の私を憐れんでくださったのか、
何と車をわざわざ出してくれて、馬籠まで送って下さった!

日光いろは坂のような、カーブが続く15キロほどの山道を
車で悠々と通過・・・。
泣くほど嬉しかったです。
一期一会の積み重ねで旅は続く。
そしてそれが一生の思い出になる。ミラクルだなぁ・・・。
にしても、リアルなドラクエやったような気分だった。

***

東京で大雨・台風の情報に警戒していた日、
テレビのニュースで「南木曽」という地名を聞き
思わず震えが止まらなかった。

1か月ほど前に訪問し、その風光明媚さに惚れ、
同僚・知人・家族にも絶対行った方がいいと勧めていた矢先だった。
(知人も行く気で実際に計画を立てていた)






先の大雨による土石流の被害に遭われた方に謹んでお悔やみ申し上げます。
南木曽が一日でも早く元通りに復興されることを心より願います。