2016-01-26

2015年 有馬記念観戦記 (序)

気づいたらもう2016年になっておりました。
しかも1月も終わり!
月日の経つのは本当に早い、光陰矢の如し、ですね。

前回の日記を書いてからも、それなりに色々とありましたが
振り返ってみるならば
ひとつ前のものが、私のお気に入りの漫才師である
浜口浜村の単独公演のレポでした。

残念ながら、師走に彼らは競走馬でいうところの
「抹消」になってしまい・・・。
新しい漫才を常に開拓していて非常に好きだったんですがね・・・

今後のお2人の進む道は違えど、
未来が明るく多幸に溢れていますように、
Always look on the bright side of life
(深刻にならずに人生の輝かしいとこだけ見ようよ)

競走馬でいうならば
カンパニーのような晩成型でありますように、と願ってやみません。


と、全く放置しているこのブログも、
なぜかカウンターがちらほらあり、
こんな深いところまでようこそ、よくぞお越しになられましたね、ですが
大変有り難く思っております、有難うございます。

そんなわけで2015年の総括日記ですが(いまさら!)
自分内の大きなニュースは
何と言っても、久しぶりに大きな買い物をしたこと!

それはカメラ!一眼レフカメラ!

フリッパーズじゃないけれど
「ずっと欲しかったカメラ 探してた 手に入れた」んです!

ここ6年ほど、Ricohのコンデジを使い倒し
(CX4、なかなかの名器で今でも大活躍!)
国内外いろいろな所に連れて行ったのですが、
そろそろ一眼を買ってもいいのではないだろうか・・・と思案。
強く思い始めたきっかけは、そう、何を隠そう2014年の有馬記念。

ブログにあげた写真も「それなり」に撮れてはいるけれど、
もっともっと綺麗に美しい瞬間を切り取りたい・・・、
それならば、一眼レフだろう!という結論に。
日記にも、買うぞー!と宣言していたのを実行した、というわけです。

当初、絶対Nikonだ!と思ってまして!
父の形見の銀塩がNikonF6で望遠レンズ使えるかなぁというのと
NikonのこのCMにえらく感動し大好き、という理由だけなんですが。
(旅先のイギリスで3年くらい前に見て泣いた)

で、買うんだったら、そのフォルムの美しさに惚れ込んだDFだ!
と考えていたんだけど、実際に店頭で触れてみると
どうも操作性が難しかったり(ダイヤル回しづらい)
重かったり(これはしゃーない)とマイナスポイントばかり・・・。
動画撮影も敢えて非搭載・・・。純粋なカメラなんだよねぇー。

そんな時に目の前に現れたのが、キヤノンのEOS 7D Mark II !
 
このシャッタースピード!!!
「速く動くもの」の瞬間を撮るために開発されたカメラ!
これだよ、これ!これだったら競馬撮影に適してるではないか!
 
しかし目ん玉飛び出そうな価格で、
だいたいプロカメラマンでもないのに
このカメラを持つ腕じゃないよ!という気持ちが頭をもたげる。

ここから1ヶ月ほど悩みに悩み、量販店に通い詰め
正直店員さんも「アイツまた来てるよ」という眼差しだったと思います。

不思議なもので、触れれば触れるほど、手に入れたくなりますし、
自分の情熱が消えないうちに買うべきだ、と自問自答し
結局買いました!悩んでいる時間も楽しかったけど、結局買うんかい!
ええ、買ったさ!

そして満を持して「一眼デビュー」したのが
2015年2月21日、府中。
好天の競馬日和の土曜日でした。

最初から巧く撮れるはずもないのは十分承知で、
練習で何枚も何枚もシャッターを切りました。
露出、シャッタースピード、絞り値・・・
モードも把握できず、見よう見まねで・・・

結論。
非常に難しかった。肩は凝るし、首も痛い。
頭の中で想像した「絵」が全く反映されず
思うように何も操れない自分、
センスのなさに辟易しました。

馬が目の前を駆けているのに、
絶好のシャッターチャンスを逃して
「頼むから、もう一回走ってくれ」と何度も思い、
パドックすらも、引っ込み思案が災いしてか
遠くから撮る有様でした。

エライもんを買ってしまった、という後悔。
「趣味」にしては代償が大きい、という事実。
気づけば、いつしかシャッターを切らずに
刻々変わるオッズのモニターを見ながら
緑のマークシートを塗って馬券を買っていました。

この日のメイン「ダイアモンドS」が行われる前に
ウィナーズサークルへ行ってみると
人だかりが出来ていて
熱心にサインを書き続けているジョッキーがいました。

10Rの初音Sで10番人気だった
ウエスタンメルシー号で勝った後藤浩輝騎手でした。
おお、後藤さんだ!と思い、写真を撮りました。
この後に起こることを、
誰が知っていたというのだろうか・・・


そしてメインレースのダイアモンドS、
下手ながらも一生懸命、シャッターを切りました。
最後の直線、馬場は白熱し、歓声が大きくなったその瞬間、
ああ!という声が聞こえ誰かが
「また(落馬したのが)後藤だ!」と叫んでいました。

後藤騎手が騎乗していたリキサンステルス号も、
このレースで天馬となってしまい、自分自身も目の前での事故は
恐らく初めてで、大変なショックでした。

一眼デビューしたのに、なんて日だ!と、自虐的に笑える余裕もなく
(ちなみに馬券もすべて外し、
上述のメインにシャトーブランシュで勝負し玉砕)
ものすごい疲労感だけが残り、京王線に乗ったことを思い出します。

そして2月27日金曜日。
未だに信じられない事が起き、
後藤騎手は空に舞いあがってしまいました。

誰しもいつか、空へ行くわけですが、
その「行き方」があまりにも唐突、突然すぎて
虚しさと、なぜだという慟哭だけがただただ残り、
遂には「カメラ買ったからなのかな」とさえ自分を責めたりしていました。

「私の一眼デビューの日」を思い出すと
いろいろな感情が波のように押し寄せてきます。
しかし、それがある意味、今日の原動力になっているのも確かで。

後藤騎手の献花台に記帳し、
上述の写真の裏にメッセージを書き、お供え致しました。
引退式の当日、関係者の方が
その写真もテーブルに飾って下さっていました。
その瞬間、このカメラを無駄にするものか、
頑張ってもっと美しい写真を撮れるようにしよう!とギアが入りました。

それからというもの、
ほぼ毎週競馬場に通って、ひたすら練習、練習の日々。
新潟や中京にも好きが高じて遠征してみた!左回り制覇!

失敗を何度も何度も繰り返して、なんとなく
シャッターチャンスやコツとやらが
なんとなーく「わかりかけたかも!」で
「おぉ!」というものも撮れるようになってきました。
キヤノンのカメラ、すごいな!魔法のカメラだ、これは!
以下、魔法の成果です。


物は試しでtwitterにアップしてみたら、
本当にたくさんの方が見て下さり、拡散して下さり
そこから思いもかけないご縁が繋がったり、と
大変有り難く、大きな励みになりました。

特に、まさかと思っていた方から、
直々に「見てますよ」と言われたときは、
顎が外れるかと思うほどの衝撃で。

それ以降、ずれた顎をはめながら、
文章をできるだけ簡潔丁寧に書こうと思い
血統を辿る奥深さなども知るきっかけになりました。

私のラッキーホース、モーリス(ダービー卿CTのレースが大好き)の
血統にメジロボサツの名前を見つけて
あ、寺山修司の「2人の女」の!と震えたりしたものでした。

知れば知るほど、追えば追うほど
刹那の中に永遠を見出し(たくなり)、
かくも馬は楽しくも壮大な感動のドラマで、
不思議なものですね、本当に!(いまさら!)


と、考えているうちに
2015年も有馬記念の日がやってきました。
(つづく)

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