2011-05-22

Alone in Kyoto 4

平等院をたんまり学習し、体も脳も使い小腹も空いてきたので
ブランチを兼ねて、中村藤吉本店へ。



ランチのニシン茶そばセットを食す。
やっぱり、言わずもがな番茶が美味しいわ。

それからデザートの抹茶ゼリー・・・。
宇治川を眺めながら幸せなひとときを堪能。
ぼんやりしながら、異国へ居る友達に手紙をしたためる。

そうして身も心もチャージを終えて次なる場所へ。
旅人は忙しい。
宇治川を渡り、宇治上神社へ向かう。

さわらびの道、と命名された通りは、
やっぱりひっそりしていた。
晴れていてのどかな初春の日だったけれど、
実は気温は低くて寒かった。
少しばかり道なりに歩いていくと・・・

宇治上神社に到着。
日本最古の神社として、世界遺産に認定されている。
それなのに、(失礼だけど)この地味さ。

日本最古ってことは世界最古の神社ってことか。
それにしても、周りの自然にすっかり溶け込んでいる様が
逆に神秘さを醸し出している。
そして、ここも参拝客が私だけだった・・・。

ここが本殿。
キリっとした狛犬が守っている。

それにしても、正面から見るこのミニマルさと言ったら!
昨秋に熊野本宮行ったときにも感じたけど、
神社って独特のシンプルさ、簡素さがあるように思える。
でも、今までの神社の中でここが一番かもしれない。
(しかもここが世界最古という事実が嬉しい)

拝殿は、鎌倉時代の住居建築で
これも現存する寝殿造りのものでは最古なんだって。
おぉ、宇治上神社、何気にすごい。
ここに貴族が住んでいたんだよなぁ・・・。
太古の昔に思いを馳せてみるには、うってつけの神社。
なんか精霊とかが神様とか、本当に身近に居るような雰囲気。

こじんまりしてるのに、実力は物凄い神社(失礼)でした。
そうそう、宇治はかつて菟道(うじ)と書かれ、兎の生息地だったようで。
宇治上神社の祭神は菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)。
ということで、兎モチーフのおみくじや絵馬がたくさん。

この中におみくじが入っているのです。
勿論挑戦。結果は吉!幸先よいスタート。
学問:努力すればよろし そうだよな・・・
恒例の御朱印にも兎の文字がはっきりと見て取れるかと。
世界文化遺産の印章も誇らしげだなぁ。

そうして宇治のプチトリップは終了。(まだ午前中だったけど)
さぁ、これから伏見方面へ出発。
伏見編へつづく。


Alone in Kyoto 3

京都2日目。
早起きしてそそくさと身支度を整え、いざ外へ。
昨日の小雨が嘘のような晴天。
向かう先は初訪問の宇治。なかなか行きたくても行けなかったので万感の思い。
電車に乗って約30分ほどで宇治に到着。


上空はなぜだかヘリコプターが飛びっぱなしだった。
きっと東北へ向かう自衛隊のものだったかもしれない。
後世にわたる超ベストセラー本「源氏物語」のクライマックスの舞台は
そういえば宇治だったよな(宇治十帖)、ってことで紫式部の像が川べりにありました。
いわずもがな「源氏物語」は古典の授業とか受験勉強で散々読まされたけれど、
未だに覚えているのは、牛車争いに負けて云々の葵の上の話だけだw

初宇治来訪ですが、どうしても平等院に行きたくてね・・・

平等院に向かう参道。
早朝なのと、このご時世のせいなのか誰も居ない。
そうして歩き進んでいくと・・・

おおおお!!10円玉の裏のやつ!
1052年建立なのに、この美しいシンメトリーといったら!

平等院鳳凰堂ってくらいなので勿論鳳凰が屋根にいた。
鳳凰堂(阿弥陀堂)の拝観は時間制でガイドさんの説明つき。
やっと人が15人ほど集まってきた。(それでも全然少ないらしい)
鳳凰堂の中には定朝の阿弥陀如来(国宝)があり、
その周りを軽やかに浮遊する雲中供養菩薩が舞い踊っているというゴージャスなお堂。

仏教が衰え、これからは悪がはびこるという末法思想が
流行していた平安末期。
そんな不安な心の拠り所を「極楽浄土」の再現という形で
建立されたのが平等院なわけで。
金と力にモノを言わせた藤原一族だけあって
貴族の一流の審美眼がそこかしこに感じられたわ。

高さ2.7メートルの阿弥陀如来坐像、
藤原時代を代表する仏師、定朝の作なんだけど、
上記の混乱の世の中での渾身の作品ということで、表情も穏やか。
お堂に入らなくても顔が拝むことができる!
ありがたやー。

雲中供養菩薩はフワフワの雲に乗っていて
楽器を奏でていたりポージング決めたりしているんだけど、
いやぁ表情といい本当に穏やかでね、
鳳翔館と呼ばれる宝物館で(ここ本当にすごい!)
お気に入りの菩薩さま、たくさん見つけることができました。
おかげで全52体がプリントされているトランプとか
絵葉書とかかなり買い込んでしまったよw

ちなみに私が好きなのは(会員番号)南26号。
この雲の「たなびき加減」とシンバル持つ菩薩さま!

そうそう、平等院の鐘楼も国宝なんだけど、
これって60円切手の図柄のやつだったのね!
小さいとき、よく文通してたからこの切手たくさん使ってたなぁ。ナツカシス。


平等院は、もうどこの写真撮っても
フォトジェニックというかさ、絵になるわー。
いやぁ眼福。ここは、程好い気品が溢れてると思いましたわ。

もちろん御朱印も頂きました。

勿論、阿弥陀如来!朱肉の色にも品のよさを感じます。

とまぁしっかり平等院を堪能して、次なる場所へ移動。
(つづく)






2011-05-15

Alone in Kyoto 2

八坂神社を抜けて円山公園の一帯に入る。
この期間は、花灯篭というイベントがある。
去年も実はこの時期に京都を訪れていたのだけど、
街を華やかに灯篭でともし、寺院も夜間拝観ができたり、と
春の京都観光に一役買っている恒例行事。

しかしやはり東日本大震災の影響で自粛されていた。
円山公園の名物桜。
花は咲いていないけれど、まるで木彫りのオブジェのようで圧倒された。
その袂では、募金活動が行われていた。
公園の薄暗い道を、係員の味気ないサーチライトを頼りに進む。
やっと祇園の高台寺に辿りついた。

といっても高台寺は参拝せず、ちょうど向かいにある別室の圓徳院
ここに行きたかったのです!

ここは豊臣秀吉の正室、つまり北政所が晩年を過ごしたお寺。
秀吉は好きな武将ではない。でもなぜこの寺院に行きたかったかと言うと、
長谷川等伯の襖絵が公開されていたから。

昨年、東京国立博物館で展示された「長谷川等伯展」で
一同に集められた彼の作品を見たとき、本当に心から圧倒された。
あの時の感動をもう一度、というわけで博物館や美術館ではなくて
本来あるべき所にある状態で拝観したかったというわけ。

その公開されていた「山水図襖」は、
僧侶が留守中に無許可で一気に描きあげたという謂れがあるそうな。
桐紋のある襖の上に直接描かれているのですが、
それが雪のようで、いいアクセントになっています。
上述の博物館でガラス越しに見たけれど、そんなものは勿論なく、
いやぁ静謐な空間の中で本当にいいもの見れたわ。

というのは、本当に拝観客がいなくて、自分ひとりだけだったのです!
ライトアップされた庭園も独り占めだった・・・。
先の襖がある方丈の間から見た南庭。


廊下も雰囲気満点。
トイカメラモードで撮影してみたら、どう?この温かみ!


床の間に安置されていたなんとも可愛らしい宗旦狐の置物。
宗旦狐は、まぁ言ってみれば化け狐だけど、
お茶会に現れる妖怪です。相国寺に祀られてるとは知らなかったー。

最後に待ち受けていた北庭。
秀吉が北政所の為に作った美しい庭だったー。
政略結婚ではなく、恋愛結婚だったと言われる秀吉夫妻。
そう思うと、この庭もなんだか慈愛に満ちているような・・・。


1日目は、こんな感じで終了。ちなみに圓徳院は、御朱印はなし。残念。
明日に備えて、ホテル近くの餃子の王将で
そそくさと焼き飯定食をお腹に収め、そのまま就寝。
(つづく)

2011-05-09

Alone in Kyoto 1

3月の話をいまさら書くのもなんですが、京都へ行ってきました。

***
心身ともに疲労を感じたときは、旅に出ることにしている。
買い物したり美味しいもの食べたりしても、
結局日常の延長線でなんだか心が潤わない。
なんというか、刹那だよなぁと。

自分は、どうしようもないほどにストレス耐性がない。
いばら道、けもの道、がれき道・・・人生なんて障害物競走のようなものでしょうと
思ったりもしている冷めた自分がいるくせに、
知っていながら、うまく乗り越えられない自分に腹が立つ。
そんなときこそ、日常を放棄し、かなぐり捨てて旅に出たくなるのだ。

震災のこともあって仕事も目の回るような忙しさで
とにかくとにかく疲れていた。一度、自分をリセットしなくては・・・と思い
海江田大臣が夕方に計画停電を突如発表したその日、3月17日、
まさしく「逃げるように」新幹線に飛び乗った。

東京駅はものすごい混雑していたけれど、新幹線はガラガラだった。
後ろの席に、親子連れと小型犬(チワワ)が、
まるで放射能から逃げるように大荷物で座っていた。

仕事の疲れが溜まって、すぐに船を漕いでしまい、
気づけばとっぷりと陽が暮れた京都に到着。
駅前にある昭和なホテル、京都タワーホテルにチェックイン。
部屋は・・・しょぼかったなぁ。というかタバコ臭くて困った。
立地は申し分ないからいいか。

京都に着いたのは19時過ぎ。この日は夜間拝観が出来たので、
とりあえず外に飛び出す。小雪が舞っていて寒かったなぁ。

向かった先は、祇園の八坂神社。


雨のひっそりした境内。鈍い光が夜露に滲んでキラキラ反射していた。
一度、昼に訪れたことはあるけれど違った装いで、くさくさしていた気持ちが
収斂されていくような心地さえ覚えた。夜と雨のマジックだろうね。

参拝し、ささやかな祈りを捧げて御朱印をいただく。

京都らしい、たおやかな筆跡ね。書いてくださったのは男性でしたが。

かじかむ手をポケットに突っ込んで境内を抜けて次の目的地へ歩き出す。

円山公園の方へ抜ける八坂神社の鳥居をくぐったとき、
なんだか背中を押されたような、自分の中にあった悩みとか考えとかが
少し楽になって、なおかつ何か手中に収めることができたような、
そんな瞬間を覚えている。だとしたら、それだけでこの旅は正解。
はるばる来た甲斐があるってもんだ。

それにしても誰もいない京都。レアすぎて怖くなる。
(つづく)


2011-05-08

球春到来2011

実は私はプロ野球好きです。
よく職場でも野球の話をするのですが、
マニアックな話でついつい盛り上がると必ずと言っていいほど
男性陣(特に年配)は驚き、話に乗ってきてくれる。
一見さんでも、だ。
もはや野球はコミュニケーションツールのひとつだと言っても良い。

そんな私なもんで、いろんなところで油を売っていたら
カジコちゃん野球好きだったよね、
じゃあどうぞ、と上司がくれたチケットが・・・
5月3日の東京ドームの巨人Vs阪神の開幕戦!
し、しかもバックネット裏ではないか!!!
・・・どちらのファンでもないのですが
(本当は自分はセは横浜、パは西武ファン。寧ろアンチ巨人。
しかし世間は巨人ファンが多いので、軋轢を生まないためにもw
表面上は巨人好きということになっている)

そんなわけで東京ドーム開幕戦の伝統の一戦に行ってきた!
場外も、ものすごい熱気!

22ゲートから入場して観客席に入ると、開けてきた風景が・・・!

おおお、このダイヤモンドからの眺めなんてめったにお目にかかれない!
自分は外野席よりも内野席派。
んで、まったりと球種見ながら観戦するのが好きなんだけど
いやはや、バックネット裏っていうのは、バッテリーの駆け引きが間近に楽しめて、
本当に最高の席だね。
ふと後ろを向くと、あら放送席。

ズームインしてみると
ギリギリでいつも生きていたいからーの人たち。厳戒態勢だったよ。

試合前に、ジャビットが組体操のピラミッドを披露。

そして3塁側のレフトスタンドの阪神応援団にも熱くなるメッセージが。


1分間の黙祷の後にプレイボール。
投手は巨人・東野、阪神・能見。対照的なピッチングで、
東野はホームラン4発打たれてKO。

85年の伝説のバース・掛布・岡田のホームラン3連発の再来、
鳥谷・新井・ブラゼル三連発を見れた!!!
しかも東野の背番号が17だったという偶然!
(槙原はあの時54番でしたが)
東京ドームは巨人ファンのどよめきと溜息、阪神ファンの歓喜と大声援、
その上、開幕試合、伝統の一戦、とまぁドラマチックな要素てんこ盛りでした。

それにしても阪神ファンの応援は、いつ見ても素晴らしい。
あの統制力と一体感、ちょっと阪神ファンがうらやましいなぁ。
思わず金本のチャンステーマの動画を撮ってしまったよ。


このチャンス襲来テーマ、ものすごく耳に残るんだよね。
気づけば♪チャンスだ、振りぬけ、かぁーっとばせぇと歌ってる自分。
リズム感が楽しいというか、高揚するチャントだなぁ。

巨人キラーにふさわしい阪神の能見は、
実にテンポ良く緩急のあるピッチングで対巨人戦8連勝。

終わってみればスコアはこんな感じ
やっぱり目の前で真剣なプロの試合を見るのって、常套句だけど活力をもらえるね。
被災地にもこの思いが届くことを勿論信じる。
そして、野球がこれからの日本に向けて希望を与える象徴のひとつであってほしい。

帰り際、人だかりができているので何かしら?と思ったら
エモヤンがいたw
ちょっとうれしかったなぁ。ちなみにこの後、堀内と赤星にも遭遇。
さて、今年はどんなシーズンになるのやら?
私もまた球場に足を運ぼうっと。