2011-05-15

Alone in Kyoto 2

八坂神社を抜けて円山公園の一帯に入る。
この期間は、花灯篭というイベントがある。
去年も実はこの時期に京都を訪れていたのだけど、
街を華やかに灯篭でともし、寺院も夜間拝観ができたり、と
春の京都観光に一役買っている恒例行事。

しかしやはり東日本大震災の影響で自粛されていた。
円山公園の名物桜。
花は咲いていないけれど、まるで木彫りのオブジェのようで圧倒された。
その袂では、募金活動が行われていた。
公園の薄暗い道を、係員の味気ないサーチライトを頼りに進む。
やっと祇園の高台寺に辿りついた。

といっても高台寺は参拝せず、ちょうど向かいにある別室の圓徳院
ここに行きたかったのです!

ここは豊臣秀吉の正室、つまり北政所が晩年を過ごしたお寺。
秀吉は好きな武将ではない。でもなぜこの寺院に行きたかったかと言うと、
長谷川等伯の襖絵が公開されていたから。

昨年、東京国立博物館で展示された「長谷川等伯展」で
一同に集められた彼の作品を見たとき、本当に心から圧倒された。
あの時の感動をもう一度、というわけで博物館や美術館ではなくて
本来あるべき所にある状態で拝観したかったというわけ。

その公開されていた「山水図襖」は、
僧侶が留守中に無許可で一気に描きあげたという謂れがあるそうな。
桐紋のある襖の上に直接描かれているのですが、
それが雪のようで、いいアクセントになっています。
上述の博物館でガラス越しに見たけれど、そんなものは勿論なく、
いやぁ静謐な空間の中で本当にいいもの見れたわ。

というのは、本当に拝観客がいなくて、自分ひとりだけだったのです!
ライトアップされた庭園も独り占めだった・・・。
先の襖がある方丈の間から見た南庭。


廊下も雰囲気満点。
トイカメラモードで撮影してみたら、どう?この温かみ!


床の間に安置されていたなんとも可愛らしい宗旦狐の置物。
宗旦狐は、まぁ言ってみれば化け狐だけど、
お茶会に現れる妖怪です。相国寺に祀られてるとは知らなかったー。

最後に待ち受けていた北庭。
秀吉が北政所の為に作った美しい庭だったー。
政略結婚ではなく、恋愛結婚だったと言われる秀吉夫妻。
そう思うと、この庭もなんだか慈愛に満ちているような・・・。


1日目は、こんな感じで終了。ちなみに圓徳院は、御朱印はなし。残念。
明日に備えて、ホテル近くの餃子の王将で
そそくさと焼き飯定食をお腹に収め、そのまま就寝。
(つづく)

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