2011-05-09

Alone in Kyoto 1

3月の話をいまさら書くのもなんですが、京都へ行ってきました。

***
心身ともに疲労を感じたときは、旅に出ることにしている。
買い物したり美味しいもの食べたりしても、
結局日常の延長線でなんだか心が潤わない。
なんというか、刹那だよなぁと。

自分は、どうしようもないほどにストレス耐性がない。
いばら道、けもの道、がれき道・・・人生なんて障害物競走のようなものでしょうと
思ったりもしている冷めた自分がいるくせに、
知っていながら、うまく乗り越えられない自分に腹が立つ。
そんなときこそ、日常を放棄し、かなぐり捨てて旅に出たくなるのだ。

震災のこともあって仕事も目の回るような忙しさで
とにかくとにかく疲れていた。一度、自分をリセットしなくては・・・と思い
海江田大臣が夕方に計画停電を突如発表したその日、3月17日、
まさしく「逃げるように」新幹線に飛び乗った。

東京駅はものすごい混雑していたけれど、新幹線はガラガラだった。
後ろの席に、親子連れと小型犬(チワワ)が、
まるで放射能から逃げるように大荷物で座っていた。

仕事の疲れが溜まって、すぐに船を漕いでしまい、
気づけばとっぷりと陽が暮れた京都に到着。
駅前にある昭和なホテル、京都タワーホテルにチェックイン。
部屋は・・・しょぼかったなぁ。というかタバコ臭くて困った。
立地は申し分ないからいいか。

京都に着いたのは19時過ぎ。この日は夜間拝観が出来たので、
とりあえず外に飛び出す。小雪が舞っていて寒かったなぁ。

向かった先は、祇園の八坂神社。


雨のひっそりした境内。鈍い光が夜露に滲んでキラキラ反射していた。
一度、昼に訪れたことはあるけれど違った装いで、くさくさしていた気持ちが
収斂されていくような心地さえ覚えた。夜と雨のマジックだろうね。

参拝し、ささやかな祈りを捧げて御朱印をいただく。

京都らしい、たおやかな筆跡ね。書いてくださったのは男性でしたが。

かじかむ手をポケットに突っ込んで境内を抜けて次の目的地へ歩き出す。

円山公園の方へ抜ける八坂神社の鳥居をくぐったとき、
なんだか背中を押されたような、自分の中にあった悩みとか考えとかが
少し楽になって、なおかつ何か手中に収めることができたような、
そんな瞬間を覚えている。だとしたら、それだけでこの旅は正解。
はるばる来た甲斐があるってもんだ。

それにしても誰もいない京都。レアすぎて怖くなる。
(つづく)


0 comments:

Post a Comment