2011-12-29

宇宙人ポール

2011年の見納め映画は「宇宙人ポール」にすることにした。
仕事を終えて、ヨガやった後に、
あ、今日水曜だから何か映画みたいなぁと思い
ちょうど時間もピッタリだったので、21:00からの最終回へ。
我ながら元気だなぁ、自分。


「Spaced」から縷縷と続く「オタク演技」をやらせたら天下一品の
サイモン・ペグとニック・フロストが、今回もいい味だしてます。

というか、サイモンは、ちょくちょくピンで活動していて
まさか「M-i3」に出てきたときはビックリしたけど
(でもやっぱりオタクっぽい役。4でも登板している)
やっぱり、ニック・フロストと一緒だと、
画面のこちら側で見ている自分も安心できるし、
なんとなくサイモンものびのび演技しているように見える。
「M-i4」のスチールにも単独で堂々と写っているけれど
キメすぎててカール・ハイドかと思ったわ。

で、映画ですが
「ギャラクシー・クエスト」でいうところの
ジャスティン・ロング=宇宙オタク目線からの話で楽しかったです。
これが彼のデビュー作。
「オメガ13」の話を延々としてるのが笑えるw
 
「ギャラクシー・クエスト」は大真面目なSF映画で
製作費もかなりの額をかけているのに
しかも大笑いでき、最終的には爽やかに感動できるという、
あんまりこのジャンルはないんじゃない?稀有な作品。
あーでも、これ大好きだわ。DVD買っちゃったし。
SFオタクが作る一流のSF映画だね、これ。

「宇宙人ポール」もそういうニッチなジャンル映画なんだけど、
ポールが親しみやすすぎるのが、意外で笑えます。
セス・ローゲンが声やってるのねー。

宇宙オタクの話、一辺倒だけでなく
せっかくわざわざイギリスからアメリカに旅行きたのに
グレアム(サイモン)だけ自分勝手に楽しんでて
一抹の寂しさを吐露するクライブ(ニック)を
宇宙人のポールが励ますシーンとか
かなり普通でナチュラルな場面があるのが好印象。

話の緩急はあるけれど、取り残されることはなく
寧ろ、ギャラクシークエストの最後よりも
ちょっとウルウルするようなエンディングが最高です。
ものすごくうれしそうな二人の顔が印象的!

あと、意外と笑ってしまったのが
後ろから車が追ってくるところ、
「激突」を想像するのは定石だけど
「うわー、『脱出』みたい!絶対犯されるー」と言っているのは
確信犯というか、やはり宇宙人に「攻められる」のとひっかけてるのねー。

それからグウィネスの母、
ブライス・ダナーが出ていたのに、ちょっとニンマリ。
孫のアップルのゴッドファーザーが、サイモンなんだよね。

アップルちゃん。クリスに似てるねー。

そういえば、サイモンはブライスの娘グウィネス出演の
「Good night」にも出てたけれど(邦題:恋愛上手になるために)
これ監督してるの、息子であるグウィネスの弟なんだねぇ。
義理息子のクリス・マーティンとは「ゾンビエイド」やってるしw



 
(3:30くらいの雰囲気がとてもよい:)
クリスとは大親友とはいえ、嫁親族全員と関わっていたとは・・・!
クリスの推薦なんだろうか?
「タンタン」はまだ未見なんだけど、
サイモンとニック目当てで行こうかなぁ。

2011-12-22

Happy go lucky / Another year

今年見た映画の中で、ベスト1は先に公言したように
「detachement」なのであるが、
その後続は・・・
マイク・リーの「ハッピー・ゴー・ラッキー」と
「家族の庭」(another year)かなぁ?

夏に「三大映画祭」と銘打って
やっとやっと「ハッピー・ゴー・ラッキー」がひっそり公開。
2008年の東京国際映画祭で上映されたきり、の作品。
長らく待っていたぞ。猛暑の中渋谷で鑑賞。
日本ではイギリス映画の配給がめっきり減ってしまって悲しい限り。
だからこそアンテナを張って、
見ることができる機会を自分で追い求めなくちゃなぁ。
まぁ£暴落で気兼ねなく密林UKでホイホイDVD買っちゃうこの頃なんだが。
しかし、やはり映画館で見るのが流儀。

というわけで今年は2作品もマイク・リー作品を劇場で拝めたのである。
そしてこのふたつはコインの裏表のように呼応する物語だった。
まず「ハッピー・ゴー・ラッキー」

30歳のポピーは、とにかく前向き、楽天家。
仕事、友人、フラメンコ、と人生謳歌中。
周りはそんなポピーを羨ましそうというか、
逆に皮肉交じりに「かわいそう」とストレートに言われる。
しかし本人は「空気読めない」雰囲気も漂わせているけれど、
まわりのやっかみにも動じない。

これってきっと自分に自信があるというか、まぁ自分大好きなんでしょうね。
人と人との間に起きる微妙で些細な波を、
すんなりと天才的に交わすこの主人公。
いやぁ映画の良心ってこういうことだろうなという希望に溢れた傑作だと思う。

若いときはサブカル映画とか
バッドエンディングものとか、気取ってよく見ていたけれど、
最近年取ったせいか、単純でめでたしめでたしみたいなものが、
やはりいいよなぁとか。
自分も丸くなったんだなぁwこの映画、見ていて本当に楽しかったわ。

片や「家族の庭」

人生の老いに差し掛かった夫婦は、いわゆる勝ち組。
夫は地質学者、妻はセラピスト。
悩みの種と言えば一人息子が結婚しないことくらい。
そこに夫婦の長年の友人(バツイチ独身)が絡んできて・・・という話。
この友人が主人公なわけなのだが、
さんざんこの夫婦に「自分は男運がない、みんなクソばかり」と愚痴を垂れる。
決して悪い人じゃないんだけど、イタイ感じの人。
夫婦は夕飯をもてなしながら、「うんうん」と説教せずに聞いている。
しかし、息子がフィアンセを連れてきてから事態が急変して・・・

主人公は愚痴を言いまくるが、夫婦は諭さない。
おせっかいさの欠片もないけれど、静かに見守るのである。
でもあなたが立ち直るならば手助けするよ、と優しさも見せる。
人生は短い、後悔しないように、と警鐘を鳴らす。

しかし強烈な問答がある。
なぜ幸せなのか?そんなの誰にもわからない、
わかっているのはただ自分がラッキーだったから。

という勝ち犬が負け犬に「ぐうの音」も出させないような
真理を説くのである。

という2つともあまりにも普通のイギリス映画なんだけど、
マイク・リーこそ、この手の映画を撮らせると、もう鬼に金棒。
そしてそれぞれ、真逆のキャラクターでありながらも
主人公の心情に共感できる普遍的な女性として描かれている。

何をもって幸せなのか、
幸せは自分の心が決めるというが
他人から何を言われても、どう思われようと
自分を信じる強い心が必要。そして何人かの友人が入れば尚のこと最高。
わかっていながらもなかなか難しい・・・。

Another yearが「家族の庭」という
全くセンスのないタイトルが解せないのだが、
「季節が巡る」うちに何か見えてくるものがある、
次の季節が来るときにそのままの自分でいいのか?という
反面教師のような気持ちになったなぁ、これ見て。

それにしても本当にみんな演技上手!
マイク・リーはその場で演出する技法で映画を撮ると聞いたが
本当に活き活きとしているのが素晴らしいねぇ。

ハッピー・・・に出ている主人公のサリー・ホーキンスは
サブマリン」のお母さん役で、タクシー運転手の役は
ティラノサウルス」に出演している。
義理の弟役が、「家族の庭」の息子役、とまぁ
なんだか自分的にイギリス人俳優数珠つなぎであった。
あ、そういえばThe officeのフィンチー役の人が掘削士で出演してたのが
ちょっとうれしかったなぁw

脱出」のパロディねw

2011-12-13

阪神戦、ふたたび

早いもので、12月。今年ももう終わり。
日々の記録を客観的に記そうと、ブログを始めたものの
なかなか筆が進まず、とうとうこの時期に来てしまった。

メモ魔のせいか
「いつかのため」の覚え書や、下書き、散文のジャーナルは
無数にあるので、パズルを作るが如く今更ながら綴っていこうと思う。

***
というわけで、遡ること半年前の6月12日。
西武VS阪神の交流戦を見に行った。


結局、今年の観戦は2試合だけだったが
どちらも阪神戦だったなぁ。
前回の試合はなぜかこのブログの閲覧数も
youtubeの再生数も思ったより多くて
さすが阪神ファンの底力を改めて思い知った次第。

バックスクリーン裏に人垣が出来ていたので
何かと思ったら・・・
川藤がいたw
それにしてもカリスマ的な人気!
掛布亡き後のMrタイガースってこの人だよね。
真弓監督辞めろの怒号も飛び交っていたけれど、
実際、将来的に川藤が監督やる確率ってあるんだろうか???
意外と務まりそうな気がするけど。。。

まぁそんなこんなで、実はこの日は菊地雄星プロ初先発!
緊急発売、ってわかってたくせにー!
何にせよ、お宝ショットだな、これ。
デーブ大久保(大嫌い)に潰されなくてよかった。若い芽は摘んじゃいかん。
にしても、やはりプロの洗礼か。のっけからピンチの連続。
ナカジが励ます場面が微笑ましかった。
結局、2回1/3を4失点で降板。ほろ苦デビューだったけど
試合後は登板できたことに涙を流したという。来シーズンは飛躍してほしい。
で、試合の方はというと・・・
乱打戦で、いやぁ目が離せないスコア。
共に当時は不調チームだったけど、
阪神は10安打で4点と、凡打の山を築いているのはなぁ。

ラッキーセブン前の6回裏の光景。
それにしても、出来上がった写真を見てビックリ。
まぁ西武球場は1塁側がビジターなんだけど、
荘厳である。いや、本当に阪神ファンは世界一!

そして狭山にも六甲颪の大合唱。
ちなみに自分がいたのは3塁側(ホーム)の内野席。
周りほぼ阪神ファン。

この日で交流戦は終わりだったんだけど、
やはり阪神戦を観戦できてよかったなぁと思う。
とにかく圧倒されたわ。

お楽しみは、実はまだあり
7回表の阪神のチャンス攻撃の際、
西武は3人目のピッチャー交代。
登場したのは・・・
江草!
阪神で9年間頑張ってきた彼は、
今シーズン西武にトレードに出され、満を持して登板。

いやぁ球場全体から、大きな拍手、どよめき、歓声と
本当に暖かい雰囲気に包まれてました。
こういう瞬間には、なかなか立ち会えない。眼福であった。
江草も自身のブログで感想を述べているのだけど
素直な文でとても好感が持てるねぇ。

というわけで、この日は結局西武が勝ち試合終了となった。

そして、それが自分の今シーズンの最後の観戦だった。
うーん、正直もっと見たかったなぁ。
なかなか忙しくて試合に行けなかったけれど、
今シーズンのプロ野球は最初から最後までミソがついた
前代未聞のことが多かった。
まだまだオフシーズン、波乱はありそうだけど。
そしてまた2か月後にはキャンプイン。早い!

来シーズンこそは甲子園で観戦したいものだ。
あ、ついつい虎ファンになりつつある・・・。
そんなことを気づかせてくれた2011年のプロ野球だった。
(ちなみに自分は真弓前監督と一緒の誕生日)

2011-12-07

Alone in Kyoto 15 /Osaka

バスを乗りついで、いわゆる「きぬかけの道」辺りで下車。
「きぬかけ」は衣笠のことだとこのとき初めて知る。
ずーっと「きぬがさ(鉄人)」かと思っていたよ。
等持院は、本当にのどかな場所にあった。
すぐ近くには立命館大学。古田の母校か。
野球ネタばっかだな。

子供たちが門前をかけっこで通り過ぎていた。
なんだか懐かしい光景。
でも、この等持院、本当に由緒正しき古刹!


 松の木が美しく凛と佇んでいた。
等持院は足利将軍家の菩提寺。
足利尊氏のお墓はここにあるのです。

中に入ると、やっぱり人が誰もいない。
入館料を払い、廊下を進む。
達磨大師がお出迎え。天龍寺のものとは似て異なる。
それにしてもインパクト大きいなぁ。


方丈を背にして北庭を眺める。
こじんまりとした景観で、しばしぼんやり。

そのあとは写真撮影不可の
足利15代将軍の木像がある霊光殿を拝観。
15代並ぶと壮観ではあるが、
なんだか霊気めいた視線やらを感じてしまう。
この手の木像は小学生の時に読んだ
美内すずえの「妖鬼妃伝」思い出しちゃうんだよなー。
(クラスの学級文庫になぜか漫画があった。未だにトラウマ)

ちょっと気分悪いなぁと思いつつ、
そんな雰囲気を打ち消してくれたのが、
素晴らしすぎる庭園!




はぁーチルアウト!
脳内アルファ波、大量に発生したな。

庭を散策すると、足利尊氏のお墓発見。


鎌倉幕府滅亡から南北朝時代って、
嫌というほど日本史で勉強したけれど(建武式目とか懐かしいなぁ)
あの動乱の世の中を牽引していた人が、
ひっそりここで眠っているという驚き・・・
小さいけれど深いサプライズが、ここにもあった。


京都旅行の締めがこの寺院でよかったなぁ。
知らず知らずのうちに京都を攻略しつつある。
自分で「何かを確実に越えることができた」旅だった。
旅の醍醐味ってきっとそこにあると思う。

恒例の御朱印。
これスタンプでしたわw
やけに他の寺院より割安かと思ったら、こう来たか。

ふらっと近くを散策したら、ロシア雑貨のお店「Vesna!」を発見。
そこの店主さんと立ち話をなんと2時間くらい。
一期一会という言葉はあまり好きではないのだけど、
人ってやっぱり話してナンボだなぁと思ってしまった。

その後、大阪へ移動。
道頓堀にあるグリコは節電に協力していました。
電気は分けられないことを知っていながら、
あまり意味がない?という声もあったけれど、
やはり阪神淡路大震災で、グリコも被災した経緯もあるからこそ、の決断。

大阪の街も、少し元気がなかったような気が・・・と
思いつつも、
案の定、チンピラにーちゃんのナンパや、
風俗のスカウトマンから声をかけられるという
あんまりない事例に遭遇。やはり大阪だわw


千日前でサクッと一人飲み。
気軽に入ることができる店が多くていいなぁ、大阪。

深夜12時近くになり、大阪駅へ移動。
深夜バスに乗り込み、一路東京へ。
この日はちょうどスーパームーンだった。


奇妙な、何か畏怖せずにはいられないくらい
魔力にとらわれたと思わせるような、こんな月は初めて。
でもなんだか不思議と力が湧いてくる。

それはきっと自分は蟹座で(守護星が月)、名前にも「月」が入っていて、
月曜日生まれだからかもしれない。

旅が終わるのは寂しいけれど、十分すぎるほど
チャージができた2泊3日だった。