特に目的地もなかったのだけど、
あてもなくどこかへ行きたい気分になった。
旅行者ならでは、の思考。
来たバスが、たまたまWaterloo行きだったので、飛び乗る。
バスは空いていたので、やっぱり2階の一番前に陣取る。
朝、歩き回っていたShoreditchエリアを、ぼーっとしながら見下ろして、
小さなことから大きなことまで、いろいろなことを考えた。
この辺りは「近未来的な」建物が多いが故、
目の前の景色は、まるでスターツアーズのような感じだった。
右にある鋭角的な建物は、Royal Bank of Scotland。
通称ガーキン(ピクルスに使うキュウリ)とは
よく言ったものだなぁ。
車窓から見ても、不思議なビル。
ジャン・ヌーヴェルの作だと思っていたのだけど
(トーレ・アグバールに似ているからね)
作者は違うそうな。
バスはSt Paulの方へ。
地下鉄もいいけど、くるくる景色が変わる
バスがやっぱり楽しいな。
そして終点間近のWaterloo Bridgeを渡る。
この橋と言えば
ヴィヴィアン・リー(英国人)の「哀愁」
ものすごく可哀想な映画。
思い返してみるとWaterlooって
音楽や映画に引用されていることが意外にも多い。
ワーテルローの戦いを題材にして
Waterlooが「大惨敗」の意味で使われているABBAのやつとか
あとやっぱりWaterloo Sunsetは外せない。
このGlastonburyの雰囲気いいなぁ。
Terry meets Julieって、
テレンス・スタンプとジュリー・クリスティのことなんだねぇ。
国鉄のWaterlooと言ったら
「さらば青春の光(Quadrophenia)」の5:15
Ocean Colour Sceneに
「The day we caught the train」という曲があるけど(懐かしい)
「Jimmy heard the day he caught the train」という詞は
この5:15の引用なんだよなぁ。
そういえば、Brightonは未開の地。
どうしても北の方が好きだわ。
だからWaterlooよりもEustonの方が、おぉっとなる。
ジミーちゃんの「ボーン・アルティメイタイム」
パディ・コンシダンの狼狽ぶりがよい!
(結局殺されちゃうのだが)
このシリーズ、時々ものすごく見たくなるんだよなぁ。
そんなことを考えていたら
テムズ川と、ロンドンアイと、ビッグベンが見えた。
もっとバスに乗っていたかったけれど
終点なので、急かされるように下車。
巨大なモニュメントがある
国鉄駅の方には行かずに、
そそくさと地下鉄に乗り換える。
ロンドン初心者だった頃、
どういうわけかNorthern Lineが苦手だった。
車体は古いし、なぜかこの線だけ悪臭がしていた。
カラフルな路線図の中で
黒色で示されていた「Northern Line」は、
冷たくて無機質で楽しくて愉快な雰囲気が皆無だった。
だいたい「この線を使って行かなくちゃ」という街もなく・・・。
渡英を重ねて、
だいぶロンドンのことを把握できるようになった6、7年ほど前。
東ロンドンがブームだったときに
AngelやHoxtonやShoreditchの辺りを周って、印象が変わった。
無機質さは単にクールではなく、
何となく宇宙船のような空間で、
非現実なルートを通っている雰囲気。
そういうちょっと奇妙で気持ち悪くて
暗闇でドッキリみたいな感覚の心地よさを会得したというか。
どんどん深く深く落ちていく・・・ドラッグのようなNorthern Line。
さぁこれからどこへ行こうかな。
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