2014-07-15

南木曽 3


南木曽に来た目的は猿追いの柴犬を探すこと。
どこにいるの?その柴犬は?

事前に観光案内所にメールをしたところ、
民宿「つたむらや」を経営されている方が飼っているとのこと。
メールには、経営者の方の電話番号が書いてあり
「直接、交渉してみてください」とのこと、だった。
民宿「つたむらや」はこの山の向こうの「大妻籠」にある。

 
妻旅籠の目抜き通りを抜けて

 
袋小路を入って
 
だしぬけに現れた
何とも趣のある眼鏡橋。


崩落の危険があるので、通行禁止だった。
なので隣にある新しい橋を渡る。
 
 
橋越しに見える風景。

 
 


丘を越えて、小道をかき分けて・・・
道なき道をゆく。
脱水症状寸前!


 
歩くこと20分。
実はここから15キロ歩いて山を越えると
もうひとつの宿場町「馬籠」に行くことができる。
島崎藤村の「夜明け前」の舞台がここ!
 
山越え且つ県境越え。
馬籠は、岐阜県の中津川市。
なので、ここは長野と岐阜の県境。
 
当初、3時間徒歩続行で行くつもりだったのだが、
なんせ睡眠不足とこの暑さで、本当にぶっ倒れそうだった。
眠すぎて何も食べる気がおきない。。。
あぁこうやって黄泉の国に行くわけなのね・・・。
眠眠打破飲んだら(あげく生温い)余計気分悪くなったし。
 
頭もガンガン痛いし、本当に行き倒れになりそうなほどだった。
案の定、ヒートテック着てたしなぁ。狂気の沙汰だ。
しかし、ここでぶっ倒れても、発見されなそうなくらい誰もいなかった。
気力で自分を鼓舞して歩き続ける。 
 
なんとか川を渡って
 
食事処を通って
 
 水車を横切って
 
大妻籠にある「つたむらや」さんに到着した。

 
ちょうど作業をしていたお兄さんに、柴犬のことを聞いてみた。
案の定、驚かれたが、
そのお兄さん(息子さん)のお父様が畑で飼っている柴犬が
件の、とのこと。
 
アポなしで来たのに(観光案内所で電話番号などを教えてくれたが
結局連絡をしなかった)何と畑まで連れてって下さるという。
しかも冷たいお茶まで出していただいた。
ライフポイント回復したー!
 
この「つたむらや」さんから歩くこと更に10分。
山の上に畑がある。
 

 
これです、これ。
この「忠犬」が柴犬なのよ!
 
そうして畑に着くと 
 きゃーいた!!!
そうそう、この子!!!
 
やはり警戒心が強くて、吠えられちゃったけれど
しばらくコミュニケーションしたら、きちんと私のことを理解してくれた。
さすが、柴犬は賢いな。
 
最初は尾っぽを下に巻いて、ゆらゆら振っていたけれど、
最終的には上げて振ってくれた!!
頭も撫ぜさせてくれた!!!


リラックスの表情がかわいい!!!


この子は、まだ見習いの子犬。かわいいー、やっぱり柴犬は世界一。

わざわざ案内してくださった「つたむらや」の息子さんの
心意気に感謝し、感激していると
疲労困憊の私を憐れんでくださったのか、
何と車をわざわざ出してくれて、馬籠まで送って下さった!

日光いろは坂のような、カーブが続く15キロほどの山道を
車で悠々と通過・・・。
泣くほど嬉しかったです。
一期一会の積み重ねで旅は続く。
そしてそれが一生の思い出になる。ミラクルだなぁ・・・。
にしても、リアルなドラクエやったような気分だった。

***

東京で大雨・台風の情報に警戒していた日、
テレビのニュースで「南木曽」という地名を聞き
思わず震えが止まらなかった。

1か月ほど前に訪問し、その風光明媚さに惚れ、
同僚・知人・家族にも絶対行った方がいいと勧めていた矢先だった。
(知人も行く気で実際に計画を立てていた)






先の大雨による土石流の被害に遭われた方に謹んでお悔やみ申し上げます。
南木曽が一日でも早く元通りに復興されることを心より願います。

2014-06-28

南木曽 2

歩き続けていたら視界が開けた。
どうやら山越えできたようだ・・・。

野に咲く花は素朴。でもどこか力強い佇まい。

絵の才能があったら、絶対写生したい風景。
初夏の今の時期がベストだけど、冬はどんな感じなのかな。

田んぼの畝に空と山膚が反射している。
日本には、まだまだこのような懐かしい風景が存在しているのが
単純に嬉しいな。童謡に歌われているような世界。

妻籠宿に到着した。

当時の家がそのまま残されていて自由に閲覧できる。
英語の表記もあったので、外国人は興味深いんだろうなぁ。

この時間帯で駅から歩いて山越えをしてきた人が、
どうやら自分だけだったようだ。
(この日は日曜日だったけど、ほとんどの人は観光バスで来訪)
逆方向からフラフラ一人で歩いているのが目立っていたのか、
日向ぼっこしていたおばあちゃんが、まぁ座んなさいなと話しかけてくる。

どこから来たんですか?何しに来たんですか?
東京から柴犬見に、→えーわざわざ?!どうして???
このパターン飽きました・・・。自殺しに来たんじゃないからね!!!

もうこのおばあちゃんと会うこともないのかもしれないけれど、
一期一会は、時として心の中に生き続ける大切な思い出になる。

妻籠宿に住んでいる猫。
おばあちゃんが呼びかけると、じっと反応していた。
この猫の写真を見るたびに、おばあちゃんのことも思い出すだろう。

小川と水車。牧歌的だなぁ。



なんとも風情のある宿場町。
昔からあるのに何で気がつかなかったんだろ。
この地をもっと早く訪れたかったな。

 この茶店で一休みして、みつまめを食べた。




どこの街にもある郵便局。
妻籠宿の郵便局は、なんともシックな外観。
敢えて「目立っていない」のが素晴らしい。

日曜日だから閉まっていたのが残念だったな。


 軒下にツバメの巣を見つけた。
この宿場町がのどかで安全な象徴なのかも?
なんて写真を撮りながら思った。
なかなかツバメに会えなかったからラッキー。
(神宮球場に行くしか会えないし)

つぶらな瞳がなんとも言えずかわいかったなぁ。

2014-06-21

南木曽 1

taicoclubが終わった後は、そのまま旅を続けることにした。
夜通し踊ったりしていたので、まともに寝ていない。
だけど、気分はものすごく高揚していた。
わざわざ行く機会がない場所に立ち寄れるチャンスが到来したから。

中央本線の名古屋方面の鈍行列車に乗車。
深い緑のアーチをかいくぐる。
ためいきが出るくらい美しい。


到着した場所は「南木曽(なぎそ)」
実は、昨年からここに行ってみたかった。
taicoclubが開催されている藪原からは1時間ほど。

 
行ってみたいと思ったきっかけは、1年ほど前にNHKで放送されていた
「新日本風土記」という番組だった。
 
猿追いをする南木曽の柴犬が紹介されていた。
かわいくて、賢くて、りりしくて、愛らしい姿に惚れた。
番組では
「南木曽町は柴犬の街として有名になりつつある」とのことだったので
じゃあ、かわいい柴犬がわんさかいるのかな?と思ったのが、
直接のきっかけ。
 
ダメ押しは、この南木曽は島崎藤村の故郷であり
古典的名著の「夜明け前」の舞台になっていたから!
 
冒頭の出だし
『木曾路(きそじ)はすべて山の中である。
あるところは岨(そば)づたいに行く崖(がけ)の道であり、
あるところは数十間の深さに臨む木曾川の岸であり、
あるところは山の尾をめぐる谷の入り口である。』
 
「夜明け前」は
馬籠宿という中山道にある宿場町が舞台の
幕末から明治維新の混乱を描いた作品。
藤村の父親がモデルとなっていることでも有名。
 
歴史的な宿場町である馬籠宿から10キロ離れた
妻籠宿という場所は復元され、かなりの観光地。
なぜか外国人観光客に大人気!
観光案内所のHPなどを見ても情緒ありまくり。
 
インターネットで情報を集め
観光案内所に柴犬の件でメールもし、準備万端で臨む。
むしろtaicoclubよりも楽しみにしていたくらいだったから!
 
駅に到着して、改札を出るもほとんど誰もいなかった。
 

道にあった標識に従って歩き始める。
妻籠宿まで3.1キロ。
早歩きで5キロがだいたい50分でこなせる自分なので
(皇居一周楽に走って40分くらいだから)楽勝楽勝。


線路沿い。静けさが緑に吸い込まれそう。
朝9時くらいだったが、陽射しがちょっときついくらい。
暖かいというよりも暑い!


3.1キロは楽勝かと思ったけれど、予想以上にきつい。
後から現地の人に言われて納得したのだけど、
なんと「ひと山」を越えないと辿り着けないからだった!
まさかの「山越え」!!!
あぁ、でもこれって「木曽路はすべて山の中」なんだね。
文章をリアルで体現できるとは・・・・。
 
 
山中は確かに涼しく、小川も流れていた。
マンチェスター近郊の森に少し似ている。
住んでいた時のことを思い出した。
森でおばあさんがブルーベリーを摘んでいたっけな。
出くわしたときにアジア人の私に驚いていたっけ。
あのおばあさんは、もう鬼籍に入ったのかな。
 
人の気配がしない。
陽射しと鳥の声と小川の音。草いきれの匂い。
誰にも気づかれていないのが、なんだか嬉しい。
今ここにいるのは自分だけ。
 
ここは山の、どのあたりなのかな。
とにかく進むのみ。浅い森の中に入っていこう。