(2006年8月26日ロンドンのAnimal collective ライブの日記再録その3)
ここまで来たからにはノコノコと帰るわけには行かない!
自分の心の中は親の仇でも討たんばかりの
熱い思いで煮えたぎっていた。Animal Collective如きで!
周りもイライラしている雰囲気で、シュンしたことは確か。
何より自分の目で耳で確かめないで、
そういう空気に飲まれて
気持ちが萎えてしまうのが悔しかった。
だから自分で確かめようと思った。
いざバウンサーのノトリーアスBIGと対決。
でもどうすればいい?何を言えば?
じゃあ姑息な手段を使おう。
「あのー『日本から』『わざわざ』来たんだけど、
入れないんすかね?というか絶対入れますよねぇ・・・?」
何らかの特権(日本人枠とかそういうの)で
入れるのではないか?と非常にアマちゃんな考えで
何言ってるんだ、このアホ、とドン引き?と思いきや、
「え、君日本人?どこから来たの?」
ってもうものすごい流暢な日本語を話すではないですか!
ノトーリアスBIG !
で、しばしBIG(略)と日本語で会話。
何でも10年近く東武東上線沿線に住んでいたらしく
「志木」「そうそう」「成増」「イエス!」
「池袋」「ビックカメラ好きだったなぁ」
「東武練馬すごいことになってるよ」「マジ?!」
とおおよそバウンサーと客の会話@東ロンドンの倉庫前
とは思えないローカルな話に花が咲いた。
でもこれが私にとっては好都合だった。
確信した。
城 の 陥 落 は 目 の 前 だ !
で、BIGがやっぱり絶妙な牌を振ってくれた。
「何しに来たの?」
「実は仕事の取材で来たの。だからどうしても
このライブに行かなくてはいけないの」
(【お詫び】
この日記を読んでいる方の中にはプロの文筆業及び
それを生業としている方がいらっしゃるかと思います。
私はAnimal Collectiveのライブに行きたい一心で
嘘をついてしまいました。深くお詫び申し上げます)
するとマジックが起きました。
BIGが
「そうかそうか、じゃあ入って」って。
そして「仕事頑張るんだよ」と労いの言葉まで頂いた。
そうしてこの日本人の小娘は潜入成功したのです。
自分でも信じられません。
まぁ確実に楽な死に方はしないでしょうけど。
そしてメイン会場に入る前に受付があり
一応「ジャーナリスト」ということになっている私は
取材者リストの中に名前があるかどうか調べられることに!
だけどここまで来たからには引き下がるわけにはいかない。
強気だ強気、強気で行け。
すると不思議なもので英語もスラスラ流暢にでるもんです。
フリーランスで急遽仕事が入ったとか云々。
そうしたら「OK」ということで
私の右手にマジックでビーッとマークをつけてくれました。
そう 関門突破したのです。
しかも当日は£15を払わなくてはいかなかったのだが
結局 払う機会がなく・・・・
タ ダ で 入 場 し て し ま い ま し た 。
いいのか?いやいいんです、これで。
そうして颯爽と会場へ。
赤い鈍い光の中にたくさんの人がたむろしていた。
床はコンクリートで天井は低くて
雨漏りがするみたいで水溜りなんかもあった。
タバコの匂い、煙。ロンドンの倉庫。夜1時45分。
どんな感じか中を歩いてみると、
さっきの日本人カップルに会った。
床に座って駄弁っていた。遅かったねぇーなんて言われて
いろいろ大変だったのさーとか他愛ない話したけれど、
あまり一緒に見る気がしなかったので、
トイレ行って来るね、と言い残しそのまま今に至るまで
会っていません。
で、倉庫の中でやっぱりいろいろな人に声を掛けられたが、
さっき会ったダニエルが見つけてくれて、再会。
そこで、即席で友達になったというポーランド人の
ガブリエルという男子を紹介される。
そうこうしているうちにライブが始まった!
2012-06-04
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