2012-12-12

3Days in Paris 15


装飾美術館を出て、1階にあるミュージアムショップに
延々と入りびたる。(本当にここは素晴らしい。美術書たくさん)
朝、橋の上で飲食して以来、
何も口にしていなかったことにようやく気付く。
 
せっかくパリに来たというのに、本当にまともな食事をしていない。
おいしいものの宝庫だというのに!
 
それには理由があって
実は食べる時間が惜しいくらい、見聞きしたいもの、
行ってみたいところが本当にたくさんあったから。
カフェでほっと、息をつける余裕もなかった。


しかし、やはり体力の消耗は少なからずあり、
とりあえずスタバでホットチョコレートを飲む。

名前を言ったのだが、うまく通じてなかった!
あ、アッシュ(H)は発音しないからいいのか!(違う?)

前回の日記で、学芸員のムッシューに教えてもらった
特別な場所に行かねば、と思いスタバで作戦を練る。
歩くのはきつかったのと時間の有効活用で、
初めてメトロに乗る。すごい緊張した。
案の定ビギナーなので写真一切なし。
でも思ったほど難しいものではなかった。

Invalidesという駅で下車。
辺りをウロウロしていたら
エールフランス発見。記念に撮影。



ムッシューが教えてくれた「特別なお土産」は
セーヌ川沿いのアルマ橋の向かいの通りだった。
Bosquet Avenue、Rapp Avenue界隈が
彼曰く「君のパリの特別なお土産」になるのだと。

実はそこに一番近い駅があるのだが、
RNRというもう一つの地下鉄しかない駅であり、
ビギナーでよくわからない自分は
(東京メトロと都営みたいなものだと思うのだが)
とりあえずそこまで歩くことにした。
川沿いを歩くのは、全然苦ではない。



川沿いを歩いていると道に迷っている男子がいた。
ゴダールみたいないかにもなサングラスをかけていた。
話しかけられたので(どうやら遊覧船に乗りたかったようだ)適当に教えたw
トルコから来ていたと言っていたな。
お互い非言語の英語で話して、ぎこちないのなんのって。
でもそういうのが旅を振り返ったときに、妙に心に残っていたりする。

アルマ橋が見えてきた。
3時方向に橋、11時方向を見ると・・・
エッフェル塔があった。
まぶしい・・・。

そして9時方向に目をやると・・・
!!!
あぁムッシューが言っていたのはこのことなのか!
瞬時に理解が出来た。アール・デコなアパルトマン!
雷に打たれるというのはこういうことを言うのか。
なんとも言えない幾何学の造形模様、
シンメントリー、象牙のような色。


 
 
ツーリストの特権は、たかが街並みを歩いているだけでも
何か特別な雰囲気や意味を見出せる力が備わっている事だと思う。

正直、このアパルトマンだけでも大感激だったけど
何かもっとすごいものが待ち受けているのはないか、
という高揚感で歩幅が早くなる。落ち着け、街は逃げないからと
敢えて道をゆっくり歩いていくと・・・

 

屋根のない美術館と言ってもいいほど。
これほどまでにアール・デコ建築があるとは!

また道を進んで行くと
今度はアール・ヌーヴォー!

このアパルトマンはすごすぎる。
この深い飴色といい牛のモチーフ!!!
 だいたいエントランスからして、普通ではない!
なんか不思議な世界への入り口のような・・・。
住人が羨ましいなぁ。

すごいなぁ。建築1701年のアパルトマン。

通りの向かいを見てみると
エッフェル塔が本当に近くにあった。
すごい、映画のシーンみたいだ。
トリュフォーの映画みたいw

袋小路みたいになっているところがあった。
そこに、クラシック音楽ホールらしきものがあった。
ちょっとアラブっぽい雰囲気。

お姉さんたちがアーティスト写真を撮影中だった。
みんなで一斉に跳ねた写真を撮りたいようだった。

そのホールの奥に、子供用の砂場らしきものがあったのだが。
そこの壁画が・・・
これは度胆抜かれました。
もしかしたら件のアラブっぽいものと何か関係あるのかな?
思わず立ち止まってじっくり見てしまう壁画。
こんなのガイドブックなんかに載ってないよなぁ・・・。

ここで大きな通りに合流。
アールヌーヴォーとアール・デコの道はここで終わり・・・。

正直、半信半疑ではあったけれど、
言葉を信じて実際に歩いてみた結果
言うまでもなく、これこそが特別なお土産、その通りになった。

20年ぶりに来たパリで、お着せではなく
自分にしか描けないルートを見つけた。それも偶然に。
あのムッシューが教えてくれなかったとしたら
自分はここにはいない。この文も書けない。
そう考えると、何か魔法にかけられたような気分というか、
うーん、旅ってミラクルだなぁ。
以前の「Animal Collectiveのライブにタダで潜入」に次ぐインパクトだったわ。

だから旅ってやめられないなぁ。

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