2012-12-19

3Days in Paris 19

フランスの作曲家ベルリオーズの墓!
漆黒の荘厳なお墓だなぁ・・・。
(あ、私も反射で写ってしまった)

オーケストラの演奏会で映える曲というのは確実にある。
もちろん自分の好みの「映え曲」もあるだろうけれど、
大袈裟でカラフルな彼の「幻想交響曲」は、鉄板。

バーンスタインとフランス国立管弦楽団

またこの「幻想交響曲」の制作エピソードが
どうしようもなく夢見がちで好きだったりする。

いわゆる自分の失恋体験を曲にしてみたというやつで。
しかもそのテーマが
「恋に深く絶望しアヘンを吸ってギロチンで処刑される俺(芸術家)の話」
中2病全開なところがねぇ、いいよなぁw

だいたいこの「幻想交響曲」を作るきっかけが
ベルリオーズが舞台を見に行ったら、舞台上のアイルランド女優に一目ぼれ
→ストーカーまがいのことをするが、結局相手にされずふられる
→一周回ってだんだん彼女に腹が立ってきたところに新しい彼女現る
→この曲を作る

というのがあるんだけど
その続きもすさまじく

その彼女と婚約寸前まで行くが、彼女の母親に認められず
彼女は他の男と結婚してしまう
→そのことを遠方で知った彼は
彼女と母親を殺して自分も死のうとするが思いとどまる
→舞台女優と運命の再会(この曲の演奏会に来ていた)
→それがきっかけで二人は翌年結婚
(しかしその後離婚w)

という何だか本当の話なのか?というくらい
まぁドラマチックな人生。
こういう人生はちょっと羨ましくもあるねぇ。
なのでお墓で勝手に対面して、あやかりたいなぁなんて思ってしまった。
ベルリオーズの夢見がちな思想が我が身に憑依しますように!

モンマルトル墓地は、紅葉真っ最中。

猫が本当に多かったなぁ。
ふと視線を感じるといるもんだから、ちょっとびっくり!

堂々とお構いなしにいるのがねぇ。

そうして小路を抜けていくと
出し抜けに遭遇したのが、ニジンスキーのお墓!
ダリダもすごいけど、これもまた・・・。


ニジンスキーはロシアの舞踊家で振付師。
ストラヴィンスキーのバレエ曲「春の祭典」の
あまりにも独特なバレエで騒乱を巻き起こしたのは有名。

「ハルサイ」の演奏会に初めて行った、という日記を
2年近く前に書いたのだが、
あれから本当にたくさんのオケの「ハルサイ」を聞き倒していた。
なかなか演奏会にも行けないのならば
過去の音源を片っ端から延々と聞くしかない・・・。
図書館でyoutubeで中古レコード屋で・・・。

その結果、
もう古典となっている音楽にも関わらず
本当に聞けば聞くほど発見がある。

実際に譜面を見ると、本当によく練られているというか
数学的というか、あるべき小節にあるべき音と音階、
そして何といってもリズムがある。
インプロやエクスペリメンタルの源流であり、
本当に吹っ飛ばされてしまう。
フォークロア的な要素というのも盛り込まれているし。

実は今年、初めて3D映画デビューしたのだが
その作品は「pina」で冒頭「ハルサイ」が出てくる。
(知らなかった!)
これはこれで素晴らしいのだけど、
うーん、最後の「生贄のダンス」が、なぁなぁなぁーーーー。

やっぱりニジンスキー版の
「土着臭さ」と下手そうに見えるが
実は難解なバレエの方がやっぱり好きだ。
(まぁこの衣装とかも好きなんだけどねー)



実はこの日の夜は
パリ管弦楽団の定期演奏会に行くことになっていた。
演目は・・・偶然にもハルサイ!
モンマルトルとモンパルナスを間違えたおかげで
まさかニジンスキーのお墓参りが出来るとは。

夜の演奏会は、素晴らしいものに違いないと
もうわかっていたので(そういう予感がした)
この朝のハプニングと一緒に
死ぬまで覚えているんだろうなあ・・・。
いい思い出が出来た。

0 comments:

Post a Comment